ことばの物語
<九Ⅱ-ここの・ここのつ・キュウ・ク>
私の住んでいるところは九州であります。
七つの県からなるのになぜ九なのか?
これは廃藩置県の前は、九つの藩があった所から。
ちなみに私の居るところは肥前の国は長崎でありま
す。
なぜ九なのか?
昔、中国は全土を九の州に分けていた。これですね。
九州は大昔は筑紫島(つくしのしま)と言ったみたいで、
これは国土の尽きるところということらしい。
日本は大和の国ですが、九州は中央から見ると
熊襲(くまそ)、隼人部族といわれ、東北より先は蝦夷
の国として、蛮族と見なされていました。
ちなみに、北の果ての北海道は、大昔は渡島(わた
りのしま)と言われたそうです。
<一封朝に奏す 九重の天
夕べに潮州に貶せらる路八千> (韓愈)
九重の天は、最も高い所で、この場合は天子の住む
宮殿。
朝、天子に意見書を出したら、夕方には潮州に左遷
された。
権力者が意見を聞く時は、賛同を求めのこと。
可否、善悪は、権力者の手にあるのであります。
屈原も司馬遷もこの憂き目にあいました。
権力者が、鹿を指して馬と言えば、馬なのであります。
鹿を鹿とするには命がけであります。
「そんなご無体な」は、どこにでもあるのであります。
第一の辞書
<「九」は屈曲して尽きるにかたどる。
数の尽ききわまった、ここのつの意味を表す。>
第二の辞書は私の頭では理解不能でした。
第三の辞書
<「九」は「身を折り曲げている竜の形」。九は竜の
頭が岐れている形で、おそらく雌の竜であろう。
数の九に用いられるのは、音を借りる仮借。
中国では九は神聖な数字とされ、九歌・九章はみ
な神を祀る歌である。>
九淵(キュウエン)
極めて深い淵。
九夏・九秋・九春
それぞれの季節の三か月間(九十日)。
最近は、均等に四分割できない気候変動になりつ
つあります。
九華帳(キュウカチョウ)
たくさんの花模様を縫い取りしたとばり。
九華は美しい飾りを言います。
九回腸(キュウカイチョウ)
憂えもだえるあまり、腸が九回も回転する。
非常に心配し、もだえること。
九牛の一毛(キュウギュウノイチモウ)
物の数にも当たらないたとえ。
九刑(キュウケイ)
九つの刑罰。
入れ墨・劓(鼻きり)・剕(足きり)・宮刑(去勢)・大辟
(死刑)と、島(しまながし)・贖(罰金)・鞭(皮のむちう
ち)・朴(笞(しもと)のむちうち)
九月九日
菊の節句=重陽の節句。
九合
九は糾に同じで、あつめあわせる。
九死に一生
九思(キュウシ)
君子が心がける九つのこと。
視に明らか・聴くに聡・色はおだやか・姿かたちは
恭しい・言には忠(まこと)・事には敬・疑は人に問う・
忿(いきどおり)にはわざわい・利益には徳をおもう。
九仭の功も簣(イッキ)に欠く
九分通り完成という所に行きながら、最後のわずか
なつまずきで塵芥に帰すること。
九尾の狐
何百年も生きた狐は、九つの尾を持ち、霊力を持つ
いう。
夏王禹、周の文王の時に、天下泰平の印として現
れたという。
一方、世に乱世をもたらす傾国の美女に化けて現
れます。
中国の殷の時代に、妲己(だっき)となって紂王をた
ぶらかし、その後、天竺(インド)に現れ、華陽夫人とな
って釈迦を誘惑し、再び中国に戻り、周の幽王のもとに
褒似(ほうじ)という美女になって現れ、惑わす。
ついに話は日本にまで及びます。
玉藻前となって鳥羽天皇をま悩まし、阿倍泰親に那須
野原で切られ、化して殺生石となったと。
私の処にも絶世の美女に化した九尾の狐、やって来ぬ
ものかな。
今日一日 幸運でありますように!
誤字脱字ご容赦ください。
