ことばの物語
<黄ーき・こ・コウ・オウ>
黄梁の夢。栄枯盛衰の儚さの物語。
露と落ち露と消えにし我が身かな
難波のことも 夢のまた夢
と太閤は栄枯盛衰を振り返る。
唐代伝奇集の中の『枕中記』の話し。
<昔は中国の趙の都 邯鄲の話し。
身をはかなんだ貧しい若者 盧生は、ある時仙人
らしき人から不思議な枕を借りて眠った。
夢を見た。
よい妻を得て、大臣まで出世し富み栄え、五十
年の栄華を極め一生を終えた。
眼を覚まし、夢であったことを知る。
眠る前に炊きかけてあった黄梁(コウリョウ)は、
まだ炊き上がっていなかった。>
この話をもとに芥川龍之介は短編を書いている。
『黄梁夢』
「盧生は死ぬのだと思った。目の前が闇となって
、子や孫のすすり泣く声が、だんだん遠い所へ
消えてしまいそう。
そうして眼に見えない分銅が足先へついてでもい
るように下へ下へと沈んでいく・・・・ 」
能にも「邯鄲」という演目があるそうです。
邯鄲の夢=盧生の夢=邯鄲の枕。
「黄」は少しおもしろい。
形容詞として「赤い・・・」「白い・・・」「青い・・・」と
遣われますが「黄」の場合は「黄い・・・」とはなら
ず「黄色い・・・」となりますね。
語源は「木なるべし」で木に由来するそうで、黄
色が色として使われるのは平安時代頃からそ
うです。
人間の視細胞は黄色を最も強く感じます。それは、
日中の色で眼底の中心に焦点を結ぶ波長だから
です。
これから、信号の「黄」が「注意」になっているんで
すね。
また、「赤」は「血の色」で「危険」なんですね。
本能の必然でしょうが、この精巧さが不思議でも
ありますね。
「黄」は中国では特別な色であります。
伝説の五帝の最初の帝が黄帝で、五色(青・黄・
赤・白・黒)の一つで、中央、日光、土、中和、君
主の服の色でもあります。
面白いのが、インドでは黄土色の粗末な僧侶の
着物を糞掃衣といいます。
同じ黄色でも扱い方は天と地の差ですね。
ちなみに、糞掃衣とは、使い古されて、後は尻を
拭うしか用がなくなった布というところからですと。
第一、第二の辞書を第三の辞書が総合していま
す。
<「黄」は甲骨文字では、火矢の形で、その火の
色から「きいろ」。
また、金文字では佩玉(腰に付けた玉)の形で
「璜」で「黄」の字形にになり、その玉の飴色の
色とされた。>
黄鶴(コウカク)
仙人が乗ると言われる黄色い鶴。
黄鶴楼
蜀にあったとされる楼。
仙人になって黄鶴に乗り、ここで休んだというところ
から名づけられた。
黄巻(コウカン)
書物。昔、しみを防ぐ為に黄檗でそめた黄色の紙
を用いたところから。
黄墟(コウキョ)
あのよ。黄泉(コウセン)。日本よみでは「よみ」。
語源は「夜見る」からと。
字源は、「黄」は五行思想で「土」、地下を表す。
死者のいく地下の世界を「地下の泉」といった。
死者のことを黄泉の客という。
黄石公(コウセキコウ)
秦の隠士。前漢の張良に履を拾わせ兵書を与えた
と言われる人物。
黄帝(コウテイ)
中国古代伝説上の帝王。軒轅の丘に生まれたので、
軒轅氏ともいう。
老荘学派(道教)の始祖と称さされ、多くの文物制
度を定めたと言われる。
黄門(コウモン)
宮廷の黄色に塗られた小門のこと。
日本では中納言の官位。「水戸黄門」。
黄老(コウロウ)
黄帝と老子。また、その唱えた学説。
無為自然の思想を主張し、儒家に反対した。
儒家が尭舜を理想としたので、それより古い黄帝を
理想とし、老子を合わせ黄老という。
黄泉の路上老少無し
あの世へ行くのは老人、若者の区別はない。
死は年齢に関係なく訪れるということ。
=老少不定
2018.2掲載再考
今日一日 幸運でありますように!
誤字脱字ご容赦ください。
