言葉の物語 <画竜点睛ーがりょうてんせい>
「点」の所で少し触れましたが、この話、少し面白い。
ここで注意したいのが「睛(ひとみ)」。良く似ている字「晴」では
ないいこと。
余計なことを言いましたが、さてこの話は中国の書物『水衡記』
から。
張僧繇(ちようそうよう)という画家が、安楽寺の壁に四つの竜を
描いた。素晴らしい出来栄えであったが、何故か瞳が描かれ
てない。
人々はいぶかって、その理由を尋ねた。
「この竜に瞳を入れると、飛びたってしまうからだ。」
人々は噂した。
「あんなこと言っているが、そんな事あるはずはない。」
それを耳にした張僧繇は、四つの竜のうちの一つに瞳を入
れた。
しばらくすると、暗雲たち込め電光きらめき、竜は雲に乗って
天へと昇って行った。
瞳のはいっていない三匹の竜は、なんら変わることなくそのま
まであったという。
これにより、詩や文章の最後の字句が仕上げの決め手であ
ることを言うようになった。
竜は多くは水中に棲み、雲を呼び雨を起こすと信じられて
いた。
春分に天に昇り、秋分に地に入るとされる。
仏教に竜の話が多いのは、龍蛇崇拝のナーガ(龍)族が仏教
に帰依したことからと。
寺院に多く竜の姿を見かれるのは、竜王として仏法を守護す
る八部衆の一つであることからであり、あの雄大な竜の姿は、
装飾としてもってこいであったのではなかろうか。
ちなみに、龍は旧字体で、略字の竜が用いられるのが主であ
るが、いまだに両方用いられているのは、やはり龍の字の方が
姿がいいからでしょうね。
ギリシア・ローマ神話PartⅡ
三美神
カリステスと言う。単数ではカリス。
もちろん、美神というからにはアプロディテ(ヴィーナス)とは
関係が深く、彼女の持ちもの薔薇、キンバイカ、林檎、骰子な
どを共有する。
画題としては、画家にはもってこいのものですが、
話題はそんなにない。
両親はゼウスと、オケアノス(水の神)とテティス(海の女神)の
娘である
ウエリノメの間に生まれた子であるとされる。
数も三人と限定されないものもある。
話としてあるのは、カリステスの一人アグライアは、アプロディ
テに代ってペパイストスの妻であるというもの。
もう一つは、カリステスの一人パシテアの名で登場する。
それは、ヘラ(女神の主神)がゼウスを眠らせておいて、その
間に他の神々がギリシアの見方をするように、ヒュプノス(眠り)
の力を借りるために、彼にパシテアを花嫁に与えたというもの。
ここで疑問が出てきました。もう一人の名は?
調べてみる。
ヘシオドスの『神統記』によると、三美神は
レイア=花盛り・アグライア=輝く女・エウプロシュネ=喜び
となって、パシテアがいなくなっている。
さらに調べると、ほかにカリステスと言われるものが
アウクソ=成長させる女・カレ=美女
と出てきましたが、パシテアの意味するものは解りませんでし
た。
いずれにしても、これらの名前の意味からすると、
来は春の芽生えの力を象徴したものと思われます。
これを調べるのに、4冊の本を使いました。
ギリシア・ローマ神話は、数冊の本が必要ですね。
ボッティチェリの描く『春=プリマヴェーラ』の三美神は有名
ですね。
2016.11掲載
今日一日 幸運でありますように!
誤字脱字ご容赦
