「この前は写真ありがとね。」


「あ、いえ…。」

誰もいないと思っていたのに、啓太先輩がいたことに驚きを隠せないあたし。

「なんか、ビックリさせちゃった?俺。笑」

啓太先輩にそう言われて、ハッとして我に返る。

「誰もいないと思ってたので、ちょっとびっくりしちゃいました。」

できるだけ冷静に、不自然にならないように、頑張ってそう答えた。

「グランド見てぼーっとしてたけど、誰か見てたの?」

「いえ、そんなんじゃなくて…。夕焼けがきれいで見とれてたんです。」

「そうなんだ。彼氏がサッカー部なのかと思ったよ。笑」

「!!。彼氏なんて、いませんから!」

啓太先輩からのまさかの投げかけに、びっくりしてそう返事をした。

「ははっ。そんな必死に否定しなくてもいいよ。笑」

「そうですよね。笑
 先輩は部活ですか?」

ドキドキしながら、少しでも距離が縮まることを願って、そう尋ねた。

「俺は好きな子待ってたんだけど、来なくてさ。すっぽかされたから帰るとこ。笑
 カッコ悪いでしょ?笑」


好きな子…。


「そんな…カッコ悪くなんてないですよ…。」

「そう?それなら良かった。じゃあね。」

「はい、さよーなら。」



好きな子…待ってたって…。


先輩に偶然会えたことに 心の底から嬉しかったけど
今はきれいな夕焼けを見ながら、泣いてしまいそうなほど切ない。


あたしが啓太先輩を想うように、啓太先輩も誰かの事を想ってるんだ。


ありえないことじゃないのに、何で考えなかったんだろう…。
切ないよ…先輩…。