こんにちは、絶學無憂(ぜつがく・むゆう)です。

 

2020年の選挙結果を確定する1月6日の上下合同議会の最中に、暴徒によるアメリカ国会議事堂侵入があったことは皆さんご存知だと思います。

 

 

主要メディアでの報じられ方では、この日、国会議事堂の前でトランプさんが大規模は抗議集会を開いて扇動した結果、いきり立った暴徒が国会議事堂へ侵入した、というストーリーになっています。

 

これを問題にして、今は民主党から史上初の二回目の弾劾(現職大統領を罷免(ひめん)させるための議会による裁判手続き)が始まっています。といっても、トランプさんの任期は20日の正午までですから、残り数日しか無いのですが。

 

これは正直、このときの国会中継を見ていた私も、全体像が分からないので、同じような第一印象を受けました。誰が見てもほとんどそのようにしか見えないような事態を作ってしまったという時点でトランプさんの敗けだな、と思いましたが、その後色々と上がってくる情報を見ると、そんな単純な話ではないということが分かります。

 

 

まず、地理的なポイントを確認します。

 

トランプさんの演説会場から国会議事堂までは、ザ・モールと呼ばれる緑地帯を東向きに歩いてたっぷり2 kmあり、歩く速度はおよそ時速4 kmですから、徒歩30分というのが大体の目安になります。

 

 

当日起こったできごとについては、ウィキペディアや、他のニュースサイト(これこれこれ)が時系列をまとめてくれているのでそれを参考にします。

 

 

6日の正午頃トランプさんの演説が始まりました。ホワイトハウスの真南のポイントです。演説は一時間少々で、午後1時10分に終了しています。

 

演説の内容はYouTubeから消されましたが(なぜ消されたのか、というその意図も考えてみてくださいね)、こちらで見ることができます。

 

演説内容の大半はそれまでにずっとトランプ陣営が主張し、主流マディアが証拠もなし、と切り捨ててきた、選挙不正の証拠を列挙することに費やされています。この二日目に行われたジョージア州での演説とほぼ同じです。ですからこの内容だけなら、なぜこの日に限って暴動になったのかというのはやや疑問です。

 

演説の中で、ペンス副大統領に対して、「すべきことをやってくれ」と何度も繰り返して、彼の裁量によって、疑惑のある激戦州からの選挙人の票を受理しないことを要求していましたが、これに対して、ペンス副大統領は、12時53分に書面を公開して(Twitterには午後1時2分)、「憲法学者にも相談したが自分にはそういう事はできない」と答えています。ラリーの参加者のほとんどは気が付かなかったでしょう。

 

演説の締めくくりは選挙制度改革についての方針で、投票者の本人確認をやりましょうとか、アホらしいくらい至極まっとうな話です。そして、ビッグ・テックの横暴は規制によって止めねばならない、そして(既得権益のうまい汁を吸う政治家たちで)腐敗しきったワシントンの沼を干す、と続きます。国境に壁も作った。

 

で、主流メディアが「扇動した」として問題視しているのは締めくくりのこの部分、一緒に歩こう、と言った箇所じゃないかと思います。トランプが「共に国会議事堂を襲撃しようと言った」というようなイメージで捉えている人が多いのではないかと思いますが、実際の彼の言葉を見てみましょう。

 

1時間12分16秒

And I say this, despite all that's happened, the best, is yet, to come.

(Crowd cheers)

So, we are going to, we are going to walk down Pennsylvania Avenue. I love Pennsylvania Avenue.

We are going to the capitol. We're going to try and give ... Democrats are hopeless. They're never voted for anything. Not even one vote. We're going to give our Republicans, the weak ones, because strong ones don't need any of our help. We're going to try and give them the kind of pride and boldness that they need to take back our country.

So, let's walk down Pennsylvania Avenue. I wanna thank you all. God bless you. And God bless America. Thank all for being here. This is incredible. Thank you very much.

 

そして、私はこう申し上げたい。いろんなことが起こったけれども、最高のことは、まだ、これからだ、と。

(聴衆の歓声)

そして、我々はペンシルバニア大通りを歩きましょう。私はペンシルバニア大通りが大好きです。

そして国会議事堂へ行きましょう。我々はそこで .... 民主党員はまったく期待はずれです。彼らはなにかのために票を投じたことなんかありません。一票たりともです。我々は、我が共和党員たちに、... といっても弱い共和党員のことです。強い共和党員たちは私達の助けなんか全然いりません。我々は彼らに、我々の国を取り戻すための誇りと勇気を与えようじゃありませんか。

さあ、一緒にペンシルバニア大通りを歩きましょう。みなさん全員に感謝します。皆さんに神の祝福あれ。アメリカに神の祝福あれ。おいでくださってありがとうございました。これは素晴らしい。本当にありがとう。

途中選挙不正に事実を列挙する部分は、いつもちょっと愚痴を言っているような口調になるので、だから対立陣営から聴いてもらえないのかな、なんて思ったりもしますが、この一番最後の部分は、このほとんど負けそうな最終局面において、非常にポジティブなエネルギーで前向きに語っています。演説家としてはすごい才能ですね。

 

できれば実際に英語も聴いていただきたいですが、これで国会議事堂への襲撃を扇動していると言われて弾劾にまでかけらているのって茶番ではないですか?誇りと勇気を与えよう、というのをどう解釈したらバリケードを突破して襲撃しようになるんでしょうか?皆さんはどう思われますか?

 

これ読んで、じゃあ、議事堂に乱入しようっという気になりますか?もしなったら教えて下さいね。

 

実際にはトランプさんは、ペンシルバニア大通りを歩かずにホワイトハウスに引きこもったのですが、Foxニュースの Mark Levinの伝えるところでは、この演説会場の背後、ホワイトハウスの近辺に暴徒がいて危険だったために、護衛がホワイトハウスの地下室に連れて行ったのだということです(この情報源の動画は今は見つけることができません)

 

 

ペンシルバニア大通りについて説明が抜けていたので補足します。これは地図で色を付けるのを忘れたのですが、ホワイトハウスから国会議事堂まで一直線に斜めに走っている道路のことです。これはホワイトハウスにいるトランプさんからすると一番の選択になるのかもしれませんが、車道は8車線あって太いものの歩道は普通なので、何十万とも噂される参列者が全員歩けるような道ではないように思います。これの図を見ると、デモのために集まった民衆の多くは、南に移動してから東へ緑地帯のザ・モールを伝って移動したものと思われます。

 

大統領は国会議事堂へ突撃せよ、とは言っておらず、ペンシルバニア大通りを歩いて国会議事堂に行こう!と呼びかけていたのに、実際はペンシルバニア大通りを歩いた人はあまりいなかったんじゃないでしょうか。

 

 

さらに、こちらにスピーチの全文を見つけました。国会議事堂(Capitol)で検索をかけて見ますと、他にも前半で一度言及していました。

 

16:25

After this, we’re going to walk down and I’ll be there with you. We’re going to walk down. We’re going to walk down any one you want, but I think right here. We’re going walk down to the Capitol, and we’re going to cheer on our brave senators, and congressmen and women. We’re probably not going to be cheering so much for some of them because you’ll never take back our country with weakness. You have to show strength, and you have to be strong.

We have come to demand that Congress do the right thing and only count the electors who have been lawfully slated, lawfully slated. I know that everyone here will soon be marching over to the Capitol building to peacefully and patriotically make your voices heard. Today we will see whether Republicans stand strong for integrity of our elections, but whether or not they stand strong for our country, our country.

 

この後、我々は歩いていきます。私は皆さんと一緒に行きますよ。我々は歩いていきます。我々は国会議事堂へと歩いていきます。そして我々の勇敢なる上院議員と下院議員の皆さんを応援します。一部の人たちに対しては、我々はそれほど応援しないでしょう。というのは弱さでもって我が国を取り返すことはできないからです。皆さんは強さを示さなければいけません。皆さんは強くあるべきです。

国会に正しいことをするように、合法的に選出された、合法的に選出された選挙人だけを数えるように、要求するために我々はやって来ました。ここにいる皆さんは間もなく一人残らず国会議事堂へ向かって、平和的に、そして愛国的に行進して、皆さんの声を届けるのだと、私は知っています。

 

 

平和的に愛国的に行進して、国会議員を応援するための声を届ける、と言っているんですが、抗議集会での発言として何か問題ありますかねえ、これ?

 

 

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