こんばんは、絶學無憂(ぜつがく・むゆう)です。私の住んでいる国はまたしてもロックダウンに突入したのですが、驚いたことに私の勤めている大学は閉鎖しない、ということが発表され、万事休すかと思いきや、なんとか研究が続行できることが判明しました。
そして、6日には、アメリカでは、各州の選挙人による票を開票し、次期大統領を正式に選出することが予定されていました。
11時から国会議事堂とホワイトハウスの正面に位置する緑地でトランプ大統領が抗議デモ隊に向けて演説。この様子は見ていなかったのですが、トランプ一家がそれぞれ壇上に登り、最後はもちろんトランプ自身が登って、集まった大群衆を前に気焔を吐いたようです。
この時の演説の様子の動画(トランプ大統領のアカウント)を貼り付けていたのですが、編集中に、この動画はYouTube規約に反するので削除した、と表示されました。そのままにしておきます。
13時から国会議事堂で上下両院合同議会が開かれ、ペンス副大統領を議長として、選挙人の票を数える作業が始まりました。この様子はライブで観ることができました。
アラバマ州、アラスカ州と「異議なし」が続き、すんなりと進みましたが、アリゾナ州の票について、ポール・ゴーザー下院議員が異議を申し立て、あらかじめ書面を準備したこと、そしてそれが上院議員(テッド・クルーズ上院議員)の署名を得たことを確認し、これを受けてペンス副大統領が、上下両院による審議に入ることを宣言しました。
この異議申し立ての動きはあらかじめ議員たちが予告していたので、驚くようなことではなかったのですが、ほとんどの場合、この場面での異議申し立ては上院議員からの署名を得ること無く、無効となるので、歴史的にはかなり稀なことのようです。このとき共和党議員からは拍手が起こりました。
しかし、どうやらこの時点で、トランプ本人はかなり失望した様子です。ペンス副大統領が議長の特権を用いてアリゾナ州の票を数えない、不正があったとして拒否する、ということを期待していたようなのですね。
というのは、おそらくTwitterが削除してしまい、スクリーンショットも撮ってないので、もう確かめようがないのですが、ペンスは勇気を出してやるべきことがあったのに!というようなツイートをトランプ本人がしているのを見た気がするからです。
もしこれに期待していたのだとすれば、勝算が甘かったのかもしれません。
異議申し立てに続く審議は、議会の投票に委ねられるらしいのですが、下院の過半数を民主党が占めているので、よほどの造反が民主党側に出ない限り、この方式では異議申し立てを成立させて票を無効にするのは非常に難しい、と見られていました。
ここまではライブで見ていたのですが、上下両院の分かれての審議というのは2時間あるという話でずいぶん長引きそうだったので、ここで夕食を取ることにしました。そして、別のZoomの会の時間と重なったので、画面だけにして国会の様子をチラチラ見ていました。
この間テッド・クルーズ上院議員など、共和党員が次々に異議申し立てを行っていましたが、会の雰囲気そのものは国会に相応しいような厳粛なものであったようです。
ところが、いつしか気づいたら、群衆が国会議事堂の建物のドアの前まで押し寄せているのが写っていました。何やってるんだ?と思いました。
後はみなさんもご存知のように、暴徒化したデモ隊が警官隊を押し切って国会議事堂の中に乱入し、議員たちは緊急避難。警備隊は催涙スプレーや催涙ガスを使用し、銃を発砲。少なくとも一人が議事堂の内部で撃たれた模様。
GETTY IMAGES
こちらのBBCの写真など見て頂ければ分かりますが、単なる悪ガキが暴れているような状況で、まあひどいものです。ちなみにBBCは、選挙不正は一切認められなかった、一切証拠なし、という態度を終始堅持しています。どうやってそこまで言い切れるのか私には分からないのですが。
その後、警官隊は、内部に大勢人がいるまま、議事堂の建物をロックダウン。出入りを禁じた模様です。
現地時間夕方16時バイデン元副大統領から暴動をやめるように、というテレビメッセージが流れました。
続いて、トランプ大統領から暴動をやめるようにというツイート、さらにビデオメッセージがツイートされました。この中で「我々は選挙を盗まれたが、もう家に帰ってください」と発言しており、Twittter社はこのツイートをどうやら独断でその後間もなくして削除した模様です。YouTubeには動画が残っています。
現地時間の18時からワシントンには外出禁止令が出されました。
トランプ大統領のTwitterアカウントは12時間、投稿禁止になったそうです。Facebook, Youtubeはトランプ大統領の動画を削除しています。
とこのような動きだったわけですが、流石にこれを事前に予測していたような YouTuber はいませんでしたね。及川さんも、闇のクマさんも、Harano Timesさんも。
政治的には、共和党議員たちのせっかくの異議申し立ての動きをこの暴動が台無しにした、といえるかもしれません。不正選挙の証拠をめぐる話をするはずが、それを訴えている側のデモ隊が暴挙に出たわけです。結果的に自らの立場をかなり不利にしたと言えるでしょう。
トランプ自身が呼びかけたデモですし、彼の演説が群衆を焚き付けたとも言えるので、責任は追求されるでしょう。ここは大きな計算ミスだったと言えるかもしれません。
元々かなり厳しい状況だったと思っていましたが、当日になっても秘策と呼べるようなものもなく、流れを変えるような新しい証拠が出たわけでもないようです。
どれだけ平和的に進めても一向に不正の調査が進まない、という世論が味方についていれば軍を動かすなどの非常手段もまだ使いやすいかもしれませんが、暴動を起こしてしまった以上、この上軍隊など動かしたらどれだけ反発を受けるか分かったものではない。
大統領選については、トランプ陣営の主張(未曾有の大規模な選挙不正がなされた)のほうが概ね正しい、というのが調べた結果の私の見解ですが、いくら正しかろうと勝ち目がないように見えます。
暴動を起こしてしまったことでアメリカの民主主義は終わった、という印象を世界中に与えてしまいました。
これは実際には(数々の証拠を考慮すると)、大規模な不正選挙をやらかした時点でアメリカの民主主義は終わっていたわけですが、主流メディアの世界観では選挙不正は一切存在しないので、「これは敗けず嫌いのトランプがごねて屁理屈をこねていただけであり、そのごねていたお山の大将が、追い詰められてついに暴動を起こし本性を表した」という、実に見事なストーリーが完結してしまいました。
まだ行く末を見つめる必要はありますが、逆転劇は今や非常に難しいでしょう。
根っからのトランプ支持者の人たちには応援にも何にもならないような記事ですが、まあよいでしょう。
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