こんにちは、絶學無憂です。

 

今回は、田仲真治さんのヨイショ記事を書こうと思います。

 

このケースでは、依頼者が一般人ではなくて、元プロ野球選手であり、ただ「悪い症状を取る」というのに留まらず、選手としての高いパファーマンス実現のためにキネシオロジー(タッチフォーヘルス)が使われているのです。ゴールが高いところに設定してあるので、私は見て、とても爽やかな感動を覚えました。

 

真治さんのブログ記事によると、この動画に登場する坂手桂太選手は、アメリカのプロ野球マイナーリーグAAAでピッチャーをしていたそうですが、肘の靭帯を切ってしまい手術。その後、肩や腰の痛みもあり現役復帰できず引退されたそうです。

 

お知り合いの紹介で真治さんのところを訪れたそうです。

 

ブログ記事のほうを見ると、

肘の手術では治りきっていなかった靭帯をタッチforヘルスのテクニックで骨に貼り付けることで、完全回復させることができました。

と書いてあるので、私の想像で補うと、おそらくタッチ・フォー・ヘルスの中のテクニックのひとつ、「筋肉の起始部付着部」という技を使って、手術的には治したはずだが、機能的にはまだうまくつながっていない靭帯を「骨に貼り付けた」様子が伺えます。と言われても「は?」という方がほとんどだと思います。

 

こちらに、同じテクニックを使って、腱鞘炎の指の治療をした動画があります。これでかなり様子が分かるのではないでしょうか。

 

 

筋肉の起始部付着部のテクニック」というのは、セルフ筋肉反射テストの記事でしつこく紹介した「筋紡錘のテクニック」と対を成すもので、あちらと同じように、任意の筋肉のスイッチをONにしたり、OFFにしたりすることができます。

 

筋肉の起始部と付着部、つまり端っこには、ゴルジ腱器官という感覚受容器があり、これも筋紡錘に働きが似ていて、筋肉の緊張度を感じるためのセンサーであり、筋肉の縮みすぎ、伸び過ぎを防ぐ安全装置でもあります。筋肉の末端部を、引っ張って伸ばしたり、あるいは押して縮めたりすることで、このゴルジ腱器官をまんまと騙して、(実際はそうでもないのに筋肉がめちゃめちゃ縮んで端っこが引っ張られましたと嘘をついて)筋肉のスイッチをOFFにしたり、(実際はそうでもないのに筋肉がめちゃめちゃ伸びて端っこが緩んでますと嘘をついて)ONにしたりします。

 

と表向きはタッチフォーヘルス的にはそういうことになっていますが、これも筋紡錘のテクニックと同様、動作をイメージするだけで効果が出てしまうことから、私個人的には、ゴルジ腱器官のような解剖学的な構造や、神経生理学は実はあまり関係ないんではないかと想像しています。

 

タッチ・フォー・ヘルスでは、筋肉が正常に反応するかどうかを確認するための事前テストのひとつとして重視されていますが、ここでは真治さんならではの応用として、この原理を応用して、靭帯や腱の治療に使われています。筋肉を引っ張って伸ばすときに、「靭帯や腱が骨にひっつくということをイメージ」して行うのが大事なんだそうです。というか、ご覧の通り、ほぼそれだけです。ところが実際にこれで動きや痛みに変化が出てしまうから、靭帯というのは不思議です。

 

ここでも「エネルギーは意図に従う Energy follows intention」というのが主役ですね。

 

これと同じ方法を使って手術後、調子の悪いままの肘の靭帯を起始部・付着部で「骨に貼り付けた」結果、すっかり腕の調子が戻った、というところから、こちらの動画が始まります。こっちが今回の目玉の方です。

 

動画の最初の部分で、一時間の施術の結果、すでに体の状態については「明らかに現役で一番調子の良かったときよりもよい」ということですが、そこからどうセッションが進むのでしょうか?やはりゴール設定からですね。

 

 

彼はピッチャーですので

 

「私は大リーグでイチローですとか他の強打者を打ち取っています」

 

というゴールを設定して唱えた時に、筋肉反射テストを行うと、筋肉のスイッチが切れているので、横から押すと大柄な選手の体が簡単に動いてしまいます。

 

 

ところが、

 

「私は草野球チームでバンバン打ち取っています」

 

を唱えると、体はしっかりしていて押してもびくともしません。これがエネルギー状態の違いであり、身体の状態の違いです。

 

 

草野球チームの強打者相手に、実際に投球動作をして、そのときに筋肉反射テストを行いますが、とても安定しています。

 

 

現役復帰して大リーグで絶好調のイチローを相手にしたという設定で投球動作をすると、... 筋肉反射テストをするまでもなく、投球動作がグラグラになってしまいました。

 

 

このように、

 

未来の本当に望んでいる状態を設定して(ゴール設定)、身体からメンタル・ブロックが浮上した状態でエネルギー調整をする

 

のが大切だということです。これはタッチフォーヘルスのとても基本的な考え方です。

 

ここで筋肉反射テストを使って身体から情報を引き出して、どこでブロックが生じているのかを調べます。このような時には、筋肉反射テストができるということも必要ですが、引き出しの中にどれくらい広範囲の質問を用意しておくかというのもとても重要です。よい質問を思いつかない限りは情報が得られませんから、ここでキネシオロジストとしての差がつくと言ってもよいです。

 

 

ブツブツといろいろと思いつくものを挙げては調べていますが、「敵対刺激」というキーワードで反応がありました。これは自分が良かれと思ってやっていることが裏目に出ているということを表しているようです。このようなコンセプトはタッチフォーヘルスの中には出てこないと思いますから、別のキネシオロジーに由来するものか、真治さん独自の研究によるものかもしれません。

 

そのようなことでなにか思い当たるかという問いに対して、本人から

強打者に対して裏をかこうとする

という答えが返ってきました。

 

そこから、大リーグでも相手の裏をかかずに正々堂々と直球勝負ができるように変化させれば良い、というようにセッションの方針が決まりました。

 

次にそのシフトを起こすための調整法としては何が必要となるのかをやはり筋肉反射テストを使って、本人の身体から聞き出しています。やはりリストの中からいろいろと思いつくものを挙げて絞り込んでいきます。筋肉の調整、ということが出たので、更に絞り込むと五行の火の対応筋と分かり、さらに絞り込んで心経の対応筋である肩甲下筋が味噌である、ということが分かりました。

 

 

心経の対応筋である肩甲下筋というのは、肩甲骨の裏側に始まって、上腕骨の上部に終わる筋肉で、収縮すると上腕骨を内旋します。

 

 

心経というのは心臓と関わりの深い経絡ですが、「喜び、情熱、自分のハートに従う」ということを象徴しています。相手の裏をかこう!というのは、たしかに喜び、情熱や自分のハートに従った選択ではないですね。だから、心経のスイッチが切れてしまっているわけです。

 

次にもう一度大リーグの想定で投球動作をしてもらい、途中で止めます。すると力が抜けているので、手を持たれると、とそれを振り切って投げることができません。

 

 

ところが草野球の設定であれば、同じように途中で手を持たれて邪魔されても問題なく投球動作ができてしまいます。

 

 

もう一度大リーグの設定でやり直すとやはりできません。

 

 

ここまで確認した上で、次に心経の調整を始めます。投球動作のスローモーションを行いつつ、一コマ、一コマにおける、筋肉の状態を確認しつつ、心経のスイッチを入れることで感情解放を行います。これはタッチフォーヘルスの体系の中に含まれている、反射点などのマッサージ刺激や、心経を流れの向きに沿って手でなぞることで調整しています(魔法ではなくて、公式マニュアルに全部載ってます)。このような動作のコマ送りによる感情解放もタッチフォーヘルスの体系の中に含まれています。

 

 

心経の調整後、再度、大リーグの想定で絶好調のイチローに対して投球動作をしてもらいます。今度は途中で手を持たれても、それを振り切って投げる動作ができました。

 

 

この後、邪魔なしに大リーグの設定で、打者や捕手の役も準備して投球シミュレーションをしますが、風を切る音も大変な迫力です。私はなんとも言えないさやわかな感動を覚えました。皆さんはどうお感じですか?

 

 

打者役の人が、坂手選手に投球動作をされた後、迫力に圧倒されて身体がグラグラになるのも興味深いですね。

 

 

投げる前に勝負は決まっていて、エネルギー勝ちによって、相手はグラグラになっているということのようです。

 
ところが
 
「このままでは裏をかかないと打たれてしまう」
 
と念じて同じ投球動作をすると、打者役の人はまったく平気で身体も安定しています。むしろ投手のほうが最後グラっとしてしまったそうです。
 
 

もしも実際の試合中に、リアルタイムで筋肉反射テストをしたら、どんな面白いデータが出るんでしょうね。選手の組み合わせや、試合の流れなどで、試合中にもエネルギー状態がコロコロと変化しているはずです。


はい、ま、ヨイショ記事になっていますが、どうでしたでしょうか、すごく面白いと思いませんか?

 

スポーツと、目に見えないエネルギーの世界とが、キネシオロジーによってつながっていて、21世紀の新しいスポーツトレーニングの形と言えるのではないでしょうか。ただ単に肉体的な症状を消すというのとは全く違った、「ゴール設定」を主軸に置いたセッションの醍醐味もよく出ているように思います。

 

少し前の記事で、セラピストと医者はリピーターを作っていけない、ということを書きましたが、このような調整のできるスポーツ・コーチであればどうでしょうか?そうなると全然話が違ってきて、シーズン中もずっと調整してもらったほうが良さそうですよね。そういった方向に、このようなセラピーの技術を活かせばとても面白いと思い、紹介記事を書かせていただきました。

 

この坂手選手のこのセッションの後の活躍がどうだったのかも気になりますね。とても応援したい気持ちになります。貴重な動画の撮影に協力していただいたことに対して、坂手選手に感謝したいと思います。おかげさまでこうして勉強することが出来ます。

 


 

ところで「イップス」というのは私も聞き慣れない言葉で、この動画で初めて知ったくらいですが、スポーツに詳しい方ならきっとご存知でしょう。Wikipediaの説明ではこのようになっています。

イップス (yips) は、精神的な原因などによりスポーツの動作に支障をきたし、突然自分の思い通りのプレー(動き)や意識が出来なくなる症状のことである。本来はゴルフの分野で用いられ始めた言葉だが、現在ではスポーツ全般で使われるようになっている。

また、治療法についても

明確な治療法は無く、克服出来るかはその人間次第である。最終的に克服出来たとしてもイップス発症から数年・数十年経過しているケースも珍しくない。

と書かれています。要は、原因も精神的なものということ以上にはよくわからないし、対策も確立していない、あるとき突然それまで普通にできていたプレーができなくなってしまうという症状で、精神面の影響が大きいとされ、症状的には不随意運動のひとつ、ジストニアと近い、あるいは重なっているようです。

 

治療法がなくて、しかもスポーツの成績に大打撃を与えてしまうことから、スポーツ選手泣かせ、と言えるでしょう。

 

ただし、しっかり見終わった後で、改めてこの動画の坂手選手が「イップス」だったのかどうかと言われると、どうかなと思いました。不随意運動が出ているという感じではなかったですから。

 

とは言うものの、実際に心理的要因でイップスになっている選手がもしいれば、それこそキネシオロジーによって調整するのはとても有効だと思います。このような心身症のような症状は、キネシオロジーが最も得意とする分野ではないかと思います。

 

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