社長紳士録

★★★★

 

1964年2月29日公開/カラーシネスコ/95分/東宝/

製作:藤本真澄 脚本:笠原良三 監督:松林宗恵 

撮影:西垣六郎 音楽:山本直純 美術:阿久根巌
出演-森繁久彌・小林桂樹・加東大介・三木のり平・フランキー堺・司葉子・新珠三千代・左卜全・久慈あさみ・草笛光子・田崎潤・英百合子・中村伸郎・京塚昌子

 

前作「社長紳士録」から2ヶ月後に公開された続編。

鹿児島から新潟に舞台を移して、森繁社長は芸者・新珠三千代と密会、寸止めで撃沈となるいつものパターン。

一方、小林桂樹の実家に嫁として入った司葉子の元には、同郷のフランキー堺が転がり込んで、「うんにゃ、うんなゃ」の大騒動。

 

芸者役で京塚昌子が出ていて、三木のり平との掛け合いがまた見どころだ。
「関取みたいだ」とか、「それで相撲の解説でもしてんだろう」「どいてくれよ、向こうが見えないから」など、いくら酒の上とはいえ、セクハラ連発であるが、京塚昌子は全く意に介さない。どうしても後年のテレビドラマ「肝っ玉かあさん」のイメージが強いが、実像では数々の浮き名を流したようだ。

ラストは森繁新社長の海外視察お見送りパーティーという設定で、主演の森繁久彌が、藤本真澄プロデューサー、笠原良三、千葉泰樹、青柳信雄、杉江敏男、松林宗恵ら脚本・監督陣と握手していく。

シリーズに出演した俳優陣も正装して蛍の光を歌って森繁久彌・久慈あさみ夫妻を送り出し、東宝黄金期を支えた人気シリーズを、大団円で見送って行く。


社長シリーズはこの時点で21作。設定は違うが、毎回ほぼ同じメンバーで同じようなストーリー。作る側はマンネリを危惧したであうし、一方で東宝側では、植木等主演の『無責任』『日本一』シリーズ、クレージーキャッツの『作戦』シリーズがヒット。映画界はやや斜陽化してきたが、まだまだ余力がある段階で花道を選択し、クレージーにバトンを渡そう、という趣だったのではないだろうか。

しかし公開後、全国の映画館主から終了を惜しむ声が上がり、シリーズは継続することとなった。この作品で終われば伝説にもなったかもしれないが、実質的な最終作となった1970年2月に公開された「続・社長学ABC」までの6年間の間、12本の作品が作られ、その間三木のり平とフランキー堺が降板、小林桂樹も歳をとってきたため秘書課長にとどめておけず、重役に抜擢されるなど、従来の設定が変わっていったのだった。

 

以下Wikiより転載

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『続・社長紳士録』は、1964年2月29日に東宝系で公開された日本映画。カラー。東宝スコープ。

概要
『社長シリーズ』第21作。本作は、森繁久彌演じる小泉社長が親会社の「大正製紙」の社長になり、海外視察に行くまでを描く。

当初は本作をもってシリーズが終結することが決まっており、ポスターや新聞広告では「さよなら社長シリーズ」と記載され、更にラストのパーティーのシーンでは、過去シリーズに関わったスタッフや出演者が多数カメオ出演しており、その席上、小泉社長は「長らくご覧になりました『社長シリーズ』は…」と述べていた。だがファンの希望などで、結局シリーズは継続することとなる。

ビデオソフト化されていたものの廃盤となるが、2014年9月22日にDVDマガジン『東宝 昭和の爆笑喜劇』(講談社)の一環として、初DVD化された。