社長洋行記

★★★

1962年4月29日公開/カラーシネスコ/89分/東宝/

製作   藤本真澄 脚本   笠原良三 監督   杉江敏男

撮影   完倉泰一 音楽   神津善行 美術 村木与四郎

出演-森繁久彌・小林桂樹・三木のり平・加東大介・フランキー堺・草笛光子・新珠三千代・久慈あさみ・尤敏・英百合子・藤山陽子・東野英治郎・伊藤久哉・河津清三郎

 

前作「続 サラリーマン清水港」からわずか2ヶ月後に公開された「社長シリーズ」の新作。

初の海外ロケで、当時イギリス領だった香港で撮影している。

なお本作には『THREE GENTLEMEN from TOKYO』という副題が添えられている

社長・森繁久彌、秘書・小林桂樹、営業部長・加東大介、営業課長・三木のり平のレギュラー陣に加えて、前々作「サラリーマン清水港」で好評だったフランキー堺が香港バイヤー役で再び出演。フランキーはこれ以降、レギュラーとなっていく。

脚本はいつもの笠原良三。監督は「サラリーマン忠臣蔵」正続を監督した杉江敏男。

杉江監督は『お姐ちゃん罷り通る』で香港ロケの経験があるので、それを買っての起用のようだ。

 

今回はサロンパスならぬサクラパスを主力商品とする製薬会社が舞台。

海外売上が落ちており、東野英治郎の商事会社に森繁社長自らはっぱをかけるのだが、東野はうちの会社のゼロコンマの売上しかないそちらの商品を、強く推す筋合いはないと突っぱねる。頭にきた森繁は自ら販路を拡大しようと、秘書の小林と知り合いにバイヤーがいる加東を連れて香港へと旅立つ。

今回の森繁キャラは、宴会大嫌いの仕事一筋人間に設定されている。

その分、三木のり平の宴会大好き課長のキャラが強く前面に押し出されて見せ場を作る。また加東大介の無骨キャラも面白く、飛行機内で水筒に入った日本酒を飲み、ツマミはクサヤにラッキョウと、オノボリさん部長をコミカルに演じている。

秘書の小林桂樹はそれまでの作品と比べると出番が少ない。マア、今まで散々シリーズで活躍してきたのでいいかとの判断だろう。作る側も見る側も含めて、少々飽きてきたのがホントの所。

香港行きの機上で新珠三千代と森繁が再会する。これは「社長道中記」の、大阪へ出張途中での特急こだま車内で、新珠と出会ったパターンと同じ。

新珠は森繁の手を強く握り、森繁も握り返す仲となり、香港到着後も観光名所を二人で巡って、今夜はひとつ泊まろうじゃないか、とかの森繁が誘う台詞もあったりする。

前半部分の森繁のキャラと大きく変わって、いつもの女好きのキャラになっているのだが、その変節がまったく描かれていない。マア、細かい所は横に置いといて・・・。

 

ラストはヘビ料理を食べすぎてヘルペスとなった森繁、急遽日本へと帰国へとなる。空港で残された小林と加東のロングショットで「終」となる。

 

以下Wikiより転載

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『社長洋行記』は、1962年4月29日に東宝系で公開された日本映画。

カラー。東宝スコープ。なお本作には、『THREE GENTLEMEN from TOKYO』(スリー・ジェントルメン・フロム・トーキョー)という副題が添えられている)。

概要
『社長』シリーズ第14作。本作と次作『続・社長洋行記』の最大の特徴は、シリーズ初の海外ロケを行ったことで、当時イギリス領だった香港で行われた。監督は『お姐ちゃん罷り通る』で香港ロケの経験がある杉江敏男が『続サラリーマン忠臣蔵』以来の登板となり、更に助演には、当時香港映画界のスターで東宝作品『香港の夜』(監督:千葉泰樹)にも出演した尤敏が出演した。

『続・社長道中記』に出演した中真千子と、『サラリーマン清水港』に出演したフランキー堺が本作よりレギュラー入り、特にフランキー堺の加入はシリーズを活性化させた。なお、司葉子は本作から『続・社長外遊記』まで出演しない。

同時上映
『どぶろくの辰』
原作:中江良夫/脚本:井手雅人、八住利雄/監督:稲垣浩/主演:三船敏郎