ミスタア・ロバーツ (Mister Roberts)

★★★

1955年(昭30)7月30日・米国公開/カラーシネスコ/123分/WB配給/

製作    リーランド・ヘイワード  原作 トーマス・ヘッゲン

脚本    フランク・ニュージェント、ジョシュア・ローガン

監督    ジョン・フォード、マーヴィン・ルロイ 撮影    ウィントン・C・ホック

音楽    フランツ・ワックスマン

出演-ヘンリー・フォンダ、ジェームズ・キャグニー、ジャック・レモン、ウィリアム・パウエル、ワード・ボンド、フィル・ケイリー、ハリー・ケイリー・ジュニア、パット・ウエイン

 

前作「長い灰色の線」から半年後に公開されたフォードの新作。

 

原作は、第二次世界大戦を扱った文学として1946年のベスト・セラーとなり、ブロードウエイで1948年から1952年まで3シーズンに亘ってヘンリー・フォンダ主演で上演された。

フォンダの思い入れの強い役だったのだろう、撮影中にフォードと意見が対立、フォードはフォンダを殴ったとされる。そしてマービン・ルロイ監督と交代して映画は完成したようだ。

 

戦争時の貨物輸送船を舞台にしたコメディ映画だが、この内容の何が米国民に受けたのか、今から見ると?がつく。ジェームズ・キャグニー演ずる艦長はとても憎たらしく描かれ、理不尽な要求を連発。軍国主義の日本なら分かるが、民主主義国家である米国海軍でも、あんな人物が存在できたのだろうか?

 

元々が舞台劇なので、ワンシーンが長く台詞も多い。フォンダとジャック・レモン、そして軍医のウィリアム・パウエルの三人が、医療用アルコールから酒を作るシーンが長ったらしく飽きてしまった。ウィリアム・パウエルは名優らしいが味がないと言うか、ワード・ボンドが演ずれば良かったのに・・・。

 

J・レモンの演技はとても巧く、アカデミーの助演男優賞を受賞したのも頷ける。ラストの、フォンダの戦死から、レモンのヤシの鉢植え投げ捨ての流れは、痛快であり虚しさも漂っていた。

 

以下Wikiより転載

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『ミスタア・ロバーツ』(Mister Roberts)は、1955年製作のアメリカ映画。

ワーナー・ブラザース配給。コメディ。ジャック・レモンがアカデミー助演男優賞を受賞した。

原作はトーマス・ヘッゲン(Thomas Heggen)の小説で、その小説を元に制作された1948年のブロードウェイ劇がこの映画の元になっている。

ヘンリー・フォンダは撮影開始前から演出を担当したジョン・フォード監督のやり方に満足できず、終いにフォンダが彼の演出が間違っていると非難し、怒ったフォードはフォンダを殴ったというエピソードがある。

アカデミー賞
受賞
アカデミー助演男優賞:ジャック・レモン
ノミネート
アカデミー作品賞:リーランド・ヘイワード
アカデミー録音賞:ウィリアム・A・ミューラー