「ダイヤルMを廻せ!」

★★★★

1954年5月29日米国公開/カラースタンダード/105分/WB配給/

製作:アルフレッド・ヒッチコック 原作:フレデリック・ノット『Dial M for Murder』 脚本:フレデリック・ノット 監督:アルフレッド・ヒッチコック 

撮影:ロバート・バークス 音楽:ディミトリ・ティオムキン 

出演:レイ・ミランド、グレース・ケリー、ロバート・カミングス、ジョン・ウィリアムズ、アンソニー・ドーソン

 

前作「私は告白する」から約年後に公開されたヒッチコック監督作。

殆どが室内を舞台とした内容で、その緻密な構成が素晴らしい。

 

主演のグレース・ケリーは、前年1953年10月にジョン・フォードの「モガンボ」で注目されての主演作となっている。登場していきなり旦那と不倫相手のキスの連続で、ヒッチコックのグレースへの偏愛が分かる。

 

原作は同名の舞台劇で、原作者自ら脚本を書いている。これがこの作品の成功の要因だろう。緻密で、しかし分かりやすく種明かしをする後半はとてもスリリングだ。

 

ラスト、密室殺人のトリックがばれても、旦那は悪あがきせずに酒をすすめたりする、いかにもの上品な仕上がりだった。

 

以下Wikiより転載

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『ダイヤルMを廻せ!』(Dial M for Murder)は、1954年のアメリカ合衆国のサスペンス・ミステリ映画。監督はアルフレッド・ヒッチコック、出演はレイ・ミランドとグレース・ケリーなど。原作はフレデリック・ノットによる同じタイトルの舞台劇で、ノットは本作の脚本も手がけている。立体映画(3D映画)として制作された。配給はワーナー・ブラザース。

作品の評価
Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「『ダイヤルMを廻せ!』はヒッチコックの最高傑作とまでは言えないかもしれないが、他のどんな基準から見ても、洗練された、ゾッとするような不気味なスリラーであり、さらにグレース・ケリーの忘れられない演技を見せてくれる作品である。」であり、47件の評論のうち高評価は89%にあたる42件で、平均点は10点満点中7.3点となっている。 Metacriticによれば、11件の評論のうち、高評価は9件、賛否混在は2件、低評価はなく、平均点は100点満点中75点となっている。

受賞歴
ニューヨーク映画批評家協会賞 主演女優賞:グレース・ケリー(『喝采』『裏窓』での演技も含めた受賞)
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 助演男優賞:ジョン・ウィリアムズ(『麗しのサブリナ』での演技も含めた受賞)
 

ノミネート
英国アカデミー賞 最優秀外国女優賞:グレース・ケリー
全米監督協会賞 監督賞:アルフレッド・ヒッチコック


トリビア
英語の台詞では、トニーやハバード警部はアパートの鍵をラッチ鍵(latchkey)と呼んでいる。ラッチ式の錠は、鍵を回すと出入りする金具部分の先が斜めになっている。ドアを閉じるとき、金具が斜めの部分にうながされて沈み込み、ドアを閉め切ったときにバネで金具が元に戻って錠が掛かる。ドアが閉まると同時に施錠されるので、ドアを閉めるときには鍵は要らないが、部屋の外からドアを開けるときには鍵が必要になる。トニーがスワンのポケットから鍵を探り出し、マーゴのハンドバッグに入れようと振り向いたとき、マーゴがそのハンドバッグからアスピリンを出そうとしていた。驚いたトニーは、鍵をよく確かめないまま、急いでハンドバッグに入れている。


恒例のヒッチコック監督のカメオ出演、本作ではトニーの出身大学の同窓会の出席者のひとりとして、記念写真の中に登場する。

1998年に制作されたマイケル・ダグラス主演の映画『ダイヤルM』(原題:A Perfect Murder)は、本作のリメイクである。