あにいもうと

★★★

 

 

1953年8月19日公開/モノクロスタンダード/87分/大映東京/

企画:三浦信夫、市川久夫 原作:室生犀星 脚本:水木洋子

監督:成瀬巳喜男 撮影:峰重義 音楽:斎藤一郎 美術:仲美喜雄

出演-森雅之・京マチ子・山本礼三郎・久我美子・堀雄二・浦辺粂子・船越英二

 

前作「妻」から3ヶ月半後に公開された成瀬監督作。「稲妻」と同じ大映東京撮影所作品。3年前の黒澤作品「羅生門」の森雅之と京マチ子が兄と妹を演じ、次女を久我美子が演ずるが、京の出番が少なく森との絡みがあまりない。また両親は山本礼三郎と浦辺粂子だが、これまた夫婦のシーンがないので最初分かりにくく、さらに言えば一家5人が揃うシーンが皆無。なのでなかなか話に乗れなかった。

 

前半は久我と堀雄二との恋愛模様中心に話が進んでいく。夏にロケしているらしく、雪のインサートカットが入って翌年の夏になりひと話。そしてまたインサートカットが入って2年後の夏になってひと話と、常に夏のシーンでの繋がりとなっていて、どうも手抜きのような気がする。

 

ラストも何か、兄と妹は中途半端な関係のまま終わっていく。

1953年度キネマ旬報ベストテンの第5位だが、そこまでの面白さはなかった。

 

以下Wikiより転載

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『あにいもうと』は、1953年(昭和28年)8月19日に公開された日本映画。

製作・配給は大映。大映東京撮影所で制作された。モノクロ/スタンダード/モノラル。上映時間は87分。

室生犀星の小説『あにいもうと』の映画化作品の一つ。『秋立ちぬ』、『浮雲』の成瀬巳喜男が監督、脚本は成瀬との作品も多い、水木洋子が担っている。出演は『羅生門』の京マチ子、『野火』の船越英二、浦辺粂子などである。なお、当時、映画監督を志していた田中絹代が監督見習いとして参加し、成瀬監督から映画作法、演出術を学んでいる。1953年度キネマ旬報ベストテン第5位。

1976年には、水木による脚本で同原作の映画が製作・公開されている。
同原作による最初の映画化は、1936年に木村荘十二監督の手によりピー・シー・エル映画製作所が製作している。作品名は『兄いもうと』。
製作時に、大映で企画を担った市川久夫の回顧録『人間走馬燈』には、多摩川ロケでのエピソードが記述されている。