「太陽は光り輝く」(The Sun Shines Bright)

★★★★

1953年5月2日米国公開/モノクロスタンダード/92分/パラマウント配給/

製作-メリアン C. クーパー、ジョン フォード 原作-アーヴィン・S・コップ

脚色-ローレンス・ストーリングス  監督-ジョン・フォード

撮影-アーチー・スタウト 音楽-ヴィクター・ヤング 美術-フランク・ホテリング

出演-チャールズ・ウィニンジャー、アーリーン・ウィーラン、ジョン・ラッセル、ステピン・フェッチット、ラッセル・シンプソン、フランシス・フォード、ドロシー・ジョーダン

 

前作「栄光何するものぞ」から9ヶ月後に公開されたフォード監督作品。1934年公開の「プリースト判事」の再映画化とも言える内容となっている。

約20年前の1934年に製作されたジム・ロジャーズ主演の「プリースト判事」では、当初、判事の黒人助手に対してのリンチ未遂シーンと、それに対する判事の非難を描いたシーンがあったが、20 世紀フォックスによってカットされた。その出来事がフォードを20 年後に再び再映画化した主な理由のようだ。その助手の黒人を演ずるのは20年前と同じ役者、ステピン・フェッチット。いかにフォードがそのシークエンスにこだわったのか理解できる。ちなみフォードはよくこの『太陽は明るく輝く』を自身の映画の中で一番のお気に入りとして挙げている。

 

南北戦争から40年後、蒸気船が行き交う南部のケンタッキーが舞台。いまだ戦争の余波が色濃く残る仲、南軍のラッパ手だったプリースト判事は、人種差別のない公平な裁判を実行、やがて一票差で再選となる。

 

ハーモニカを吹きながら判事に寄り添う役をステピン・フェッチットが好演している。この映画は出演者たちが常に歌い、楽器を鳴らしている。まるである一面、音楽映画のようだ。

 

ラストもまた、街中の楽隊が判事の自宅前を行進しながら終わっていく。そして一人部屋に戻るラストカットは、3年後に製作された傑作「捜索者」に呼応しているように思える。ラスト、ジョン・ウェインは明るい大地へと繰り出すが、この映画では暗い室内へと戻っていく。それは「死」の予感のようでもある。

 

以下Wikiより転載

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「太陽は明るく輝く」は、1953 年のアメリカのコメディドラマ。

ジョン フォード監督の映画。アービン S. コブシリーズの素材に基づいています。  「ジャッジプリースト」 1910 年代にサタデー イブニング ポストに掲載された短編小説、具体的には「太陽は明るく輝く」、「マサックの暴徒」、「ザ・マサック」などです。

フォードは 1934 年に同じ題材の一部を映画『ジャッジ プリースト』に採用しました。この映画には当初、ポインデクスターのリンチ未遂(およびその行為に対するプリーストの非難)を描いたシーンがあったが、20 世紀フォックスによってカットされた。この省略は、フォードが 20 年後にコブの物語を 共和国の太陽は明るくとして大まかに再構成した理由の 1 つでした。

今回は、ウッドフォードという名前の若い黒人人物をリンチしようと決意した暴徒を鎮圧するプリースト判事が含まれています。どちらの映画でも、ステピン フェチットはプリースト判事の助手であるポインデクスターの役を演じています。

後年、批評家によってこの作品が支持されました。ジョナサン ローゼンバウムとデイブ ケアそれを「傑作」と呼びました。
 

この映画は1953 年カンヌ映画祭に出品されました。

リパブリック・ピクチャーズの代表ハーバート・J・イェーツは、フォードの意向に反して映画を約10分間カットした。映画史家のジョセフ・マクブライドによると、100 分の完全版 (海外で劇場上映された) は、リパブリックが 1990 年のビデオテープ発売のマスターとして誤って使用したときに再発見されました。この完全版は現在、Olive Films から高解像度 Blu-ray リリースとして入手可能です。