リオ・グランデの砦 (Rio Grande)

★★★

1950年(昭25)11月15日米国公開/モノクロスタンダード/105分/リパブリック・ピクチャーズ/

製作:メリアン・C・クーパー ジョン・フォード 原作:ジェームズ・ワーナー・ベラ

脚本:ジェームズ・ケビン・マクギネス    監督:ジョン・フォード

撮影:バート・グレノン、アーチー・J・スタウト    音楽:ヴィクター・ヤング

出演:ジョン・ウェイン、モーリン・オハラ、ヴィクター・マクラグレン、ベン・ジョンソン、ハリー・ケリー・ジュニア、クロード・ジャーマン・ジュニア、J・キャロル・ナイシュ

 

前作「幌馬車」から7ヶ月後に公開されたフォード監督作。

「アパッチ砦」「黄色いリボン」に続く騎兵隊三部作の最終作。

 

それまで全滅する騎兵隊の悲劇、退任する老指揮官の悲哀などをモチーフにして来たが、今回は指揮官の家族愛がテーマとなっている。

 

主人公の騎兵隊隊長にジョン・ウェイン。

その隊に15年間会っていない自分の息子が入隊してくる。他の新兵と同等に扱おうとするが、ついつい心配で気になってしまうというお決まりのパターン。

 

そこにウェインの別居中の妻が息子を心配して訪ねてくる。妻役は1941年の「わが谷には緑なりき」以来9年ぶりの出演となるモーリン・オハラ。当時実年齢30歳のオハラに、新兵18歳くらいの息子が居る設定はチョット見ていて無理がある。

 

ラスト、息子はたくましく成長し、妻とも仲直りしていくのだが、元々別居中の夫婦が元の鞘に収まるだけなのでカタルシスはない。またこの映画ではフォードらしい詩的なカットもシーンもなく、ただラストの協会の子どもたちの救出は面白かった。ただその前にインディアンが子どもたちを連れ去るカット自体がないので絵空事っぽさは否めないが・・・。

 

以下Wikiより転載

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『リオ・グランデの砦』(Rio Grande)は、1950年製作のアメリカ映画。ジョン・フォード監督作品。ジョン・ウェイン、モーリン・オハラ主演。

概要
ジョン・フォード監督作品の中の『アパッチ砦』、『黄色いリボン』と並んで「騎兵隊三部作」と評される最終作。主演のジョン・ウェインが『アパッチ砦』と同じく、カービー・ヨークという名前の役柄を演じており、本作は『アパッチ砦』の続編ともいえる作品となっている。

しかし、フォード本人はこの作品を作る予定は最初はなかった。1936年に企画した『静かなる男』を製作するために、フォードはB級映画専門のスタジオであるリパブリック・ピクチャーズと3本の映画製作契約を結んだ。しかし、当時の社長であったハーバート・J・イェーツは、この芸術色の強い内容である『静かなる男』の製作に対して、いい顔をしなかった。しかし、フォードは負けずに訴え続けイェーツはついに根負け。しかし、条件としてまず映画を1本撮って、それが大ヒットしたら『静かなる男』の製作を許可すると提示した。

早速フォードは、『アパッチ砦』、『黄色いリボン』と同じくジェームズ・ワーナー・ベラの短編小説『記録なき作戦行動』を原作に、赤狩りに巻き込まれ仕事を干されていたジェームズ・ケビン・マクギネスを脚本家に任命。当初は『リオ・ブラボー』という名の仮タイトルをつけ、夫婦愛や家族関係などのエッセンスを盛り込んだ。

キャスティングも、ウェインの妻役に『静かなる男』でも女房役となるモーリン・オハラを起用。このウェインとオハラのコンビは、息の合った演技を見せ、『静かなる男』だけでなく『荒鷲の翼』、『マクリントック』、『100万ドルの血斗』でもそのコンビネーションを披露した。

しかし、イェーツは本作の制作費を『アパッチ砦』の半分である123万8000ドルしか出さないばかりではなく、さらに制作費を削減した。そのせいで、ベン・ジョンソンとハリー・ケリー・ジュニアは出演料を値切られた上に、無情にもイェーツはフォードに制作費をさらに2万8000ドルの削減を言い渡したばかりか、カメラアングルや俳優の衣装にまで注文をつけ始めた。頭に来たフォードは、イェーツが撮影現場に見学に来ると撮影を中止して反抗したという。

なお、ベン・ジョンソンとハリー・ケリー・ジュニアは、2頭の馬に跨るハイレベルな乗馬術であるローマ式立ち乗りをフォードからマスターするよう命じられる。2人は3週間でこの乗馬方法を身につけ撮影ではノースタントで挑んだ。

結果的に、この作品は大ヒットしたことによりフォードはようやく『静かなる男』の製作に取り掛かる事が出来た。