「禍福」前後編

★★★

 

1937年10月1日/11月11日公開/前篇78分・後篇79分/東宝・入江高田ユニット/

原作-菊池寛 脚色-岩崎文隆 監督-成瀬巳喜男

撮影-鈴木博 装置-北猛夫 音楽-伊藤昇

出演-入江たか子・高田稔・竹久千恵子・逢初夢子・大川平八郎・丸山定夫・清川玉枝・北林谷栄・清川虹子

 

当時の大スター、入江たか子と高田稔主演の前後編の大作。

社名をPCLから東宝に変更、入江と高田のプロダクションとの共同製作となっている。

 

内容は外交官である高田と入江は恋人同士で結婚を入江は夢見ている。そこに実家の商売が傾き、融資してくれる家の娘・竹久千恵子と結婚を勧められ、入江は捨てられる。ここまで前篇。

 

後半、復讐のために入江は高田の妻、竹久の家にお手伝いに入る。高田はパリに行っている。

竹久はとても良い人で入江の赤ちゃんの看病も進んでする。揺れ動く入江の心。そして高田が帰国して、お手伝いの入江と再会、子供が自分の子だと知って驚く。入江は高田の家を出て行き、竹久は全てを知ってしまう。そして赤ちゃんを私達夫婦が引き取り、籍を入れることを提案、入江は子供の将来を考えて了承する。

 

何とラストはハッピーエンドだった。

「禍福」という題名なのである程度予想できたがのだが。入江は不幸な女を難なく演じているが、相手の妻を演じた竹久千恵子のキャラが良い。とても聡明で行動的で嫌味がない。この役者でなければ成立しなかったろうと思われる。

 

少しテンポが鈍くて、120分くらいに編集して一本として公開したほうが引き締まったと思われる。