女人哀愁

★★★

1937年(昭12)1月21日公開/74分/モノクロ/PCL・入江プロ

原作-成瀬巳喜男 脚本-成瀬巳喜男・田中千禾夫 監督-成瀬巳喜男

撮影-三浦光雄 美術-戸塚正夫 音楽-江口夜詩

出演-入江たか子・佐伯秀男・堤真佐子・北沢彪・大川平八郎・清川玉枝

 

前作「朝の並木路」から約4ヶ月後の公開。PCL移籍後、2ヶ月毎の新作だったから少しペースが落ち着いてきた。

 

テーマは3年前に公開された「限りなき舗道」とよく似ている。

入江たか子演ずる古風な娘が、お見合いで名家の家に嫁入り。家や世間体を気にする嫁ぎ先の家族との対立から家を飛び出し、自立して生きていく道を選んでいく。

 

スタッフがそれまでの常連と変わっている。

カメラマンの三浦光雄は、その功績を称えた「三浦賞」があるほどの名カメラマン。女子高生たちの会話を早いパンニングで撮ったり、家屋内の人々の動きを流れるように収める構図が素晴らしかった。