新網走番外地 嵐呼ぶ知床岬
 ★★★

1971年(昭46)8月13日公開/東映東京/105分/カラー/シネマスコープ 
製作    俊藤浩滋 矢部恒 寺西国光  脚本    村尾明     監督    降旗康男
撮影    星島一郎    音楽    八木正生     美術    藤田博
出演-高倉健・三橋達也・藤田進・野添ひとみ・安藤昇・山本麟一・谷隼人・南利明・今井健二・玉川良一

「新網走番外地」シリーズの第6作。
シリーズ前作から約8ヶ月後の公開。今回も監督は新シリーズ最多の降旗康男。

東宝の三橋達也と藤田進、そして安藤昇がゲスト。
牧場が舞台となっていて、北海道らしい競走馬が多数出ている。
牧場主である三橋と。配下の藤田はそれほど見せ場はない。

その反面、本者ヤクザである安藤昇の存在感が圧倒的。
高倉健とは初共演だと思うが、二人のやり取りでもまったく引けを取らない。

ラストの殴り込みは、ブレ承知の手持ちカメラで画面を傾けてのショットも多い。
降旗監督は東映ヤクザシリーズの原型とも言われる菅原文太主演「現代やくざ 与太者の掟」を1969年に監督している。この翌年72年には文太主演・深作欣二監督「人斬り与太」が公開され、73年の「仁義なき戦い」へとつながっていく。

この年前後は、東映の任侠映画が飽きられ、次第に実録路線へと変わっていく端境の時期だったろう。