ウルトラマンレオ

1963年(昭和38年)4月1日に発足した
株式会社円谷特技プロダクション制作のウルトラシリーズ第6作


1974年(昭和49年)4月12日から1975年3月28日まで
TBS系で毎週金曜日19時から30分カラー番組として51話を放送


プロデューサー-円谷粲・熊谷健・橋本洋二
音楽-冬木透
操演-平鍋功・上松盛明/タイトル-デン・フィルム・エフェクト

出演-真夏竜・森次晃嗣・藤木悠
丘野かおり・新井つねひろ・冨永美子・伊藤幸雄・奈良富士子・杉田かおる
黒田宗・柳沢優一・大島健二・平沢信夫・新玉恭子・三田三枝子・手塚茂夫
松坂雅治・浅倉隆・藍とも子・大原みどり
神田隆・大林丈二・春川ますみ
ナレーター-瑳川哲朗 / ウルトラマンレオ-ニ家本辰已
 
「ウルトラマンレオ」製作の経緯 (Wikipediaより)
内容
本作品もそれまでのウルトラシリーズと基本的には同じフォーマットを踏襲したドラマの制作がなされているが、その作風は大きな変化を遂げている。
企画書には「骨肉相食む人間ドラマ」の方針が明記され、第39話までのシナリオの表紙には「生きる厳しさと哀しさを鮮烈に謳う」のキャッチコピーが掲げられた。これらのコンセプトに則り、主人公・おゝとりゲンが強敵や周囲の人間たちとの軋轢によって過酷な状況に追い込まれて苦悩し、成長していくストーリーとなった。そのための特色として、ゲン=ウルトラマンレオがそれまでのウルトラ兄弟のようにM78星雲光の国(ウルトラの国)出身ではなく、別の星系にあった故郷(獅子座L77星)を失った宇宙人と設定されている。レオの活動時間が2分40秒となり、格闘シーンが短縮された分、孤独ながらも道を切り開くヒーロー像の確立と企画意図であったヒーローの神秘性の回復のため、相克の人間ドラマに充てられることとなった。

後述の影響もあり、前作『ウルトラマンタロウ』の後半以上に光学合成や火薬効果に制限が求められたため、当時の空手・カンフー映画ブームを受け、レオはそれまでウルトラマンに比べて光線技を多用せず格闘技を用いて戦うスタイルが強調され、コストダウンのために特撮からアクションに番組の見せ場を移行し、怪獣の特撮的な描写や光線技などを減らしてアクションを主体としたことから、師弟関係の構図などスポ根ドラマやアクション要素を全面に押し出した作風となっている。そして、変身できなくなったウルトラセブン=モロボシ・ダンが、地球防衛部隊の隊長でありながら主人公を正体を知っており指導する役を担い、それを取り巻く民間人が中心になってドラマを進めるスタイルが採られている。また、メインターゲット視聴者の子供たちの視点に立つ人物として梅田トオル・カオル兄妹が登場し、もう一方の主人公と言える立場で後半のドラマを担っていくことになる。

企画段階では、「A(エース)」「T(タロウ)」に続くアルファベット1文字のタイトル表記を受け継ぐ案があり、企画案などのいくつかの資料では「ウルトラマンL(レオ)」と表記されていた。

放送開始については当初、1974年4月5日から放送を予定していたが、『タロウ』の放送期間が1週間延長されたために同年4月12日から放送開始となった。この理由には、「『レオ』の製作が遅れたために『タロウ』を1話撮り増した「4月から放送開始する他の特撮ヒーロー番組と競合する編成を避けるためだった」という2説が存在する。

企画当初、MAC(宇宙パトロール隊)の隊長は地球人・川上鉄太郎であり、ゲンの正体を知って鍛錬・協力する設定であった。川上役には森次晃嗣を起用する予定だったが、森次がウルトラシリーズでダン以外の役を演じることに異を唱えて出演を逡巡。制作側は隊長をダンに変更して再度オファーを行って了承を得たが、第1話でダン(ウルトラセブン)が負傷してセブンへの変身能力を失う設定が加わった。

第16話までの本作品のハードな展開は、制作サイドのイメージよりも「ウルトラ」の視聴者層が低年齢化していたこともあり、『タロウ』の明るい作風からの落差もあって低年齢層の視聴者の反応が芳しくなく、1クール目の視聴率は14.1%という、当時としては低い結果となった。これに対し、第17話からは序盤の特色であった過酷な特訓描写は徐々に抑えられるようになり、前作までと同様の「怪奇シリーズ」や「民話シリーズ」を導入し、『タロウ』同様のコメディ調の話も混ざるようになる。

視聴率の低迷に加えて当時のオイルショックによる物価高騰などが制作体制を直撃し、番組は制作費の緊縮を余儀なくされてしまう。ギャラの節約を狙ったレギュラーの削減や、毎回の怪獣着ぐるみの製造費・防衛チーム基地のセット維持費などのカットが断行された結果、番組はホームドラマ志向に近い大幅な路線変更を強いられることになった。

当時、同人サークル「怪獣倶楽部」に所属していた原口智生は、自身は参加していないが怪獣倶楽部のメンバーが円谷プロダクションプロデューサーの熊谷健に呼ばれ、「カプセル怪獣」や「円盤生物」などの強化案を提案したと証言している。

本作品をもって第2期ウルトラシリーズは終了となるが、メインライターの田口成光は本作品が『タロウ』の視聴率を越えられないことは予想できており、当初からシリーズに区切りを付けることが決まっていたと証言。『毎日新聞』の1975年3月13日付の夕刊で「さよならウルトラマン」と題し、本作と第2期ウルトラシリーズ終了を報じた。

劇中の楽曲・BGMは、主題歌のインストゥメンタルの編曲も含め冬木透が担当している。BGM作曲家としての冬木の登板はウルトラシリーズでは『ウルトラセブン』、『帰ってきたウルトラマン』、『ウルトラマンA』に次いで4度目。他のシリーズ作品には見られない重厚で悲壮感・緊迫感漂う楽曲が多く作られた。本作では物語本編でダン=セブンが活躍することもあり、随所に『ウルトラセブン』のオリジナルBGMの流用・再演奏曲や、本作のテーマ曲と交錯した曲なども新たにつくられた。それ以外にも、同じ冬木作曲の『ミラーマン』のBGMが流用されたこともある。

備考
本放送当時、TBSでは18時から『セブン』の再放送を行っており、『セブン』の第49話(最終回)と本作品の第1話が同日に連続で放送された。
本作の第40話で生死不明となったままだったダン=セブンは、『メビウス』のテレビシリーズのDVD封入の作品解説書「MEBIUS FILE」や劇場版のパンフレット上において、「ウルトラの母に救出されていた」ことが明記(新たに設定)された。2009年の舞台作品『ウルトラマンプレミアステージ3』では、ダンとゲンの再会が描かれている。
『コメットさん』(1978年)の第63話「ウルトラマンと怪獣アカゴン」にゲン=レオが登場。ゲンが地球で生活しているなど、本作品の後日譚とも言うべき内容となっている。変身すれば地球から去らねばなるまいと知りつつも、怪獣化した少年を治すためにゲンがレオに変身し、心ならず去らなければならなくなった彼の姿を通して、同じ宇宙人のコメットにもやがて訪れる地球人との別れを描いていた。だが、『コメットさん』は国際放映制作であるため、本作品およびウルトラシリーズとは無関係である。
『キッズ・ウォー』第3シリーズで、真夏演じる津村信彦が大工からサンドイッチ屋に転職し、大沢校長(演:大和田伸也)から「大工さんからサンドイッチ屋に転身ですか」と話しかける場面があり、信彦が照れながら「華麗なる…転身!!」とレオの変身ポーズをとるシーンがある。
映画『太陽を盗んだ男』(1979年)で、主人公・城戸誠の部屋に置いてあるテレビに本作の映像が映り、主題歌「戦え! ウルトラマンレオ」が流れる場面がある。
映画『メカゴジラの逆襲』(1975年)に登場するチタノザウルスは、レオのスーツアクター・二家本が担当していることもあり、劇中でレオの特徴である拳法の構えをするシーンがある。二家本は、同作品への出演は本作品の撮影中に怪獣役の河合徹から持ちかけられたという。
『メカゴジラの逆襲』には、本作品で松木晴子隊員を演じた藍とも子も出演している。藍は、本作品の撮影後に同作品のオーディションへ向かうこととなり、MAC隊員服姿のまま撮影を行っていた東宝ビルトからオーディション会場の東宝撮影所へ走って行き、そのまま面接を受けたという。
真夏は『ウルトラマンマックス』第33・34話で警察官役でゲスト出演。当初は予定になかったが、ファンが偶然持っていたレオリング(レプリカ)を指にはめての出演となった。ラストシーンでゲン=レオを思わせる描写がある。
ウルトラマンワールドM78キャナルシティ博多店は、レオが名誉店長を務めている設定である。
大阪(関西)地区ではウルトラマンレオをもって朝日放送がネットチェンジでTBSテレビから当時のNETテレビ(日本教育テレビ・現:テレビ朝日)の系列局となりウルトラシリーズの本放送は終了となっている。
 

 
 001
視聴率17.6%
 脚本
田口成光
 監督
真船禎
特殊技術
高野宏一
特殊撮影
君塚邦彦
 ゲスト
-
 セブンが死ぬ時!東京は沈没する!
★★★
「レオ」の第一話。次回に続く前編。
何故かレオは、M78のウルトラマン兄弟とは別の宇宙人の設定。故郷を異星人に爆破され、地球でセブンのモロボシ・ダンと共に悪と戦う。高野宏一の津波の特撮が見応えあり。スローモーションを多用してさすがの迫力。
 
 002
視聴率16.5%
 脚本
田口成光
 監督
真船禎
特殊技術
高野宏一
特殊撮影
君塚邦彦
 ゲスト
-
 大沈没!日本列島最後の日
★★★
前回の続き。特撮シーンは相変わらず見ごたえあるが、主人公ゲンが必殺キックを極め、実戦に使うが期待外れ。少女の生死も、前回初めて見た少女で、感情移入できない。いろいろと無理な脚本だ。
 
 003
視聴率14.6%
 脚本
田口成光
 監督
深沢清澄
特殊技術
-
特殊撮影
君塚邦彦
 ゲスト
二見忠男
 涙よ
さよなら…

★★
二話続けての前後編。子供の父親が胴体真っ二つにされる残酷さ。子供番組としてはどうかと思う。そしてまたもや主人公ゲンは修行に励み、レオに変身後も大苦戦する。
 
 004
視聴率15.9%
 脚本
田口成光
 監督
深沢清澄
特殊技術
-
特殊撮影
君塚邦彦
 ゲスト
-
 男と男の誓い
★★
前回の続き。ゲンは隊長ダンに言われてひたすら修業をする。子供達が見たいものは弱々しく修行に励むヒーローではないだろう。その過ちは「帰ウル」での視聴率低迷で分かっていたはずだと思うが、再びスポ根物と同じような内容に始終している。
 
 005
視聴率13.8%
 脚本
阿井文瓶
 監督
東條昭平
特殊技術
-
特殊撮影
君塚邦彦
ゲスト
二見忠男
  泣くな! おまえは男の子
★★★
前回の父親が殺された兄妹が再登場。主人公ゲンの世話になる経緯を描く。監督の東條昭平は「帰ウル」でTBS出禁になって「タロウ」で特殊技術を担当、今回でやっと本編監督として復帰できたようだ。
 
 006
視聴率13.9%
 脚本
田口成光
 監督
東條昭平
特殊技術
-
特殊撮影
君塚邦彦
 ゲスト
-
  男だ! 燃えろ!
★★
またもやレオは苦戦して修行に励む、の回。汗を流して力んだ表情をしても面白さには直結せず、白けるだけ。
 
 007
視聴率12.3%
 脚本
阿井文瓶
 監督
外山徹
特殊監督
矢島信男 
特殊撮影
君塚邦彦
 ゲスト
-
 美しい男の意地
★★
ワンパターンが続く。レオが傷つきダン隊長のスパルタ特訓で技を付磨き、怪獣に対抗して勝利する。
 
 008
視聴率13.2%
 脚本
阿井文瓶
 監督
外山徹

矢島信男 
特殊撮影
君塚邦彦
 ゲスト
-
 必殺! 怪獣仕掛人
★★★
またもやレオは怪獣に負け、山奥の仙人訪ねて修行する。ただ今回は、修練する足蹴りキックが、レオに変身してから活用出来ていたので良かった。マア、構成上当たり前なのだが、今までほとんど結実してなかった。
 
 009
視聴率12.0%
 脚本
土門鉄郎
 監督
深沢清澄
特殊監督
高野宏一
特殊撮影
君塚邦彦
 ゲスト
-
 宇宙にかける友情の橋
★★★
アイスクリームをねだる星人と少年が仲良くなるのは分かるが、その後の展開が強引過ぎる。テーマは分かるが、ラストも死者を甦らせるというご都合主義満載。
 
 010
視聴率13.5%
 脚本
阿井文瓶
 監督
深沢清澄
特殊監督
高野宏一
特殊撮影
君塚邦彦
 ゲスト
-
 かなしみのさすらい怪獣
★★
レオと昔仲良しだった怪獣が凶悪化して地球に襲来。筋はしっかりしていて、撮影も丁寧にカットを積み重ねているのが分かる。
 
 011
視聴率13.8%
 脚本
田口成光
 監督
筧正典
特撮監督
矢島信男
特殊撮影
君塚邦彦
 ゲスト
高島雅羅
 泥まみれ男ひとり
★★★
星人に、叔父さん叔母さんを殺された少年の物語。特撮シーンは見ごたえあり。
 
 012
視聴率13.5%
 脚本
阿井文瓶
 監督
筧正典
特撮監督
矢島信男
特殊撮影
君塚邦彦
 ゲスト
東龍明
 冒険野郎が来た!
★★★★
「タロウ」風なコミカルな回。近衛文麿の孫である東龍明のあて書き脚本のよう。熱血パターンでは視聴率が上がらず、試行錯誤した回かのかもしれない。
 
 013
視聴率13.4%
 脚本
田口成光 
 監督
前田勲
特撮監督
東條昭平
特殊撮影
君塚邦彦
 ゲスト
-
 大爆発! 捨身の宇宙人ふたり
★★★★
透明星人の罠で民間人を二人殺してしまう主人公ゲン。この回は本筋がしっかりしており見応えがあった。東條昭平の特撮も飛行シーンが縦横無尽に飛び交っていて素晴らしい出来だった。
 
 014
視聴率11.2%
 脚本
阿井文瓶
 監督
前田勲
特撮監督
東條昭平
特殊撮影
君塚邦彦
 ゲスト
-
 必殺拳! 嵐を呼ぶ少年
★★★
この回から主題歌が変わった。前回までの歌は決して悪くはなかったと思うのだが・・・。今回の内容は怪獣が空手少年に化けるモチーフ。相変わらずの必殺技を修行して鍛錬するスポ根物の内容。
 
 015
視聴率10.7%
 脚本
田口成光 
 監督
外山徹
特撮監督
大木淳
特殊撮影
君塚邦彦
 ゲスト
潮 哲也
 くらやみ殺法! 闘魂の一撃
★★★
「快傑ライオン丸」主演の潮 哲也がゲスト。盲目の剣の達人を演じている。主人公ゲンの相変わらずの修行話に始終している。
 
 016
視聴率10.9%
 脚本
若槻文三
 監督
外山徹
特撮監督
大木淳
特殊撮影
君塚邦彦
 ゲスト
-
 真夜中に消えた女
★★
星人の声がバルタン星人と同じ。ダンの超能力念力シーンが長過ぎ。
 
 017
視聴率8.9%
 脚本
田口成光 
 監督
山本正孝
特撮監督
矢島信男
特殊撮影
君塚邦彦
 ゲスト
藍とも子
 見よ!
ウルトラ怪奇シリーズ

狼男の花輝
★★
狼男の造形が酷い。この後レギュラーになる藍とも子がゲスト。カメラテストも兼ねていたようだ。
 
 018
視聴率8.2%
 脚本
阿井文瓶
 監督
山本正孝
特撮監督
矢島信男
特殊撮影
君塚邦彦
 ゲスト
-
 見よ!
ウルトラ怪奇シリーズ

 吸血鬼! こうもり少女
★★★
もう「怪奇シリーズ」というネーミング自体が、当時の子供達には響かないものだったのかもしれない。いつものパターンを踏襲するのみ。
 
 019
視聴率6.6%
 脚本
田口成光
 監督
外山徹
特撮監督
東條昭平
特殊撮影
君塚邦彦
 ゲスト
-
 見よ!
ウルトラ怪奇シリーズ
 よみがえる半魚人
★★★
北海道ロケ第一弾。北の海の半魚人はちょっと無理がある。
最低視聴率6.6%を記録。
 
 020
視聴率-
 脚本
阿井文瓶
 監督
外山徹
特撮監督
東條昭平
特殊撮影
君塚邦彦
 ゲスト
大前均-
 見よ!
ウルトラ怪奇シリーズ
 ふしぎな子熊座の少年
★★★
北海道ロケ第二弾。善人宇宙人を子役が演じる。星人に変身する姿がないのはおかしい。本物の子熊が凶暴そう。