アイアン・ホース
(The Iron Horse)
 ★★★★

1924年(大正13)8月28日米国公開/150分(国内公開133分)

モノクロスタンダード・サイレント/配給-フォックス映画 
製作    ジョン・フォード    脚本    チャールズ・ケニヨン ジョン・ラッセル 

チャールズ・ダーントン    監督    ジョン・フォード

撮影    ジョージ・シュナイダーマン    編集    ヘッティ・グレイ・ベイカー
出演-ジョージ・オブライエン、マッジ・ベラミー、チャールズ・エドワード・ブル、シリル・チャドウィック、ウィル・ウォーリング

ジョン・フォードは1890年アメリカ生まれ。この「アイアンホース」は1924年に公開されたサイレントの大作映画。23歳で監督デビューしたフォードの36本目、30歳の時の作品。


アメリカ大陸の東と西を結ぶ大陸横断鉄道工事に携わる人々と、それを妨害するインディアンとの対決を描く。

正直、2時間を超える無声映画という事で、ある程度の覚悟をして見始めたのだが、面白くて一気に見てしまった。ピアノ独奏の伴奏が全編に流れているのでまったくの「サイレント」では無いのだが・・・。

やはり映画は、単純に「映像」の持つ力が一番なものだと再認識できた。
筋肉ムキムキマンでありながら甘いマスクのジョージ・オブライエンが良い。優しくて力持ちの男は、古今東西変わりなしを実感。

鉄路を敷設しながら移動を続ける労働者とその家族。新しい街に来たらまずは酒場を作るのがいかにも。さらにそこは裁判所でもあり、酒場の主人は判事も兼ねるのが民主主義国家アメリカらしい。

ジョン・フォードが、スタッフやキャストと家族のように付き合った、その映画作りへの姿勢が垣間見れる。リンカーンの描写からも分かるように、その根底にはフォードの合衆国に対する愛国心が流れている。だからこそ、国民的監督になったのだろう。

ちなみに公開時の1924年の出来事は日本だと
昭和天皇の結婚・谷崎潤一郎の「痴人の愛」連載開始・阪神甲子園球場が竣工。
世界だと、冬季オリンピックの第1回開催・ソビエト連邦のレーニン死去、
アメリカでは排日移民法成立。日本人移民が禁止される、等など・・・。

以下Wikiより転載
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『アイアン・ホース』(The Iron Horse)は、1924年に公開されたアメリカ合衆国のサイレント映画。
製作はフォックス映画、監督はジョン・フォード。ジョン・フォードのキャリアにおいて節目となる作品で、これ以降、フォードは生涯に渡って西部劇というジャンルに取り組んだ。フォードにとって初めてのメジャー作品。他社の西部劇の成功に焦ったフォックスが急遽製作、製作費も予算をオーバーした。
2011年、アメリカ議会図書館は「文化的、歴史的、審美的に重要」なものとして『アイアン・ホース』をアメリカ国立フィルム登録簿に保存した。
主役デーヴィーの子供時代を演じているのはウィンストン・ミラー。パッツィ・ルース・ミラーの弟で、後に脚本家、プロデューサーとなる。脚本の中にはフォードの『荒野の決闘』(1946年)がある。

製作費    280,000ドル
興行収入    2,000,000ドル