昭和残侠伝 一匹狼
★★★
1966年(昭41)1月13日公開/東映東京/90分/総天然色/シネマスコープ
企画 俊藤浩滋 吉田達 脚本 松本功 山本英明 監督 佐伯清
撮影 星島一郎 音楽 菊池俊輔 美術 藤田博
出演-高倉健・藤純子・池部良・島田正吾・鳳千景・河津清三郎・潮健児・雪代敬子・大前均・曽根晴美
シリーズ第3作。
高倉健主演映画としては4月に公開された「網走番外地 荒野の対決」から二ヶ月後の公開。
シリーズ前作「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」からは半年後の公開となっている。
今回は少し趣向を変え、花田秀次郎は一匹狼の渡世人として登場する。
また池部良も同じ根無し草の渡世人で、それぞれの親分を殺した仇同士の設定となっている。
扇千景が薄命の女役を演じて光る。その父親が島田正吾でこちらも良い。
敵対する悪役が河津清三郎だがそれほど憎ったらしくはなく、池部の妹役の藤純子は平凡な演技で印象は薄い。
高倉と池部のストイックさは相変わらず美しいが、ストーリーがイマイチ平板で盛り上がりに欠ける。
それまでのこのシリーズはセット撮影が大半だったが、今回は舞台が港町なのでロケが多く、
海岸沿いでの道行きなど目新しさはあるが、照明など緻密に計算されたセット撮影での様式美と比べると、劣ってしまっている印象。
補足だがこの映画、任侠映画には珍しく、漁船が炎上する特撮カットがある。
クレジット表記はないが、多分担当は矢島信男だろう。