Gibson の運命を変えた・・・。
いや今のギターの歴史を大きく変えたと言っても言い過ぎでは無いかもしれない。
それを語り尽くすとキリがないのです。
その人の名前は
Lloyd Loar(ロイド・ロア)
GibsonのMaster Luthierとして
1919〜1924年の間在籍していました。
彼は演奏家でもあり発明家でもありました。
彼のアイデアは今も多くのギターに生かされています。
ロアは様々なアイデアを持っていました。
ギブソンで働く前に既にマンドリンの中にトーンバーを入れて共鳴板を楽器の上から吊り下げる構造を発明していました。(Virzi Tone Producer)
そして彼は
「私は最も美しいサウンドとスタイルのマンドリンを作る事が出来る。」
と言ってGibson社に雇われたと言われています。
その横に並ぶ2つのタイプ5はロアスタイルと呼ばれ“ハ”の字型のトーンバーの配置に加えてオーバルサウンドホールの代わりに“f
”スタイルのバイオリンの様なサウンドホールを取り入れています。
重要なのは、この時にネックのジョイント位置も変更されているのです。
ロアは新たなマンドリンやギターの為に多くの時間と研究を費やしました。
彼は“Stradivari”のチューニングプロセスを学び、トップとバックを削り出し楽器ごとにトップとバックのトーンコントロールをしたのです。(タッピング調整)
そして彼の手で一つ一つチェックされて合格した物にしか彼の署名がギャランティラベルに添付されることはなかったのです。
そのマンドリンは楽器としての素晴らしいだけでは無く歴史的価値も含めてとても大切にされています。
このお話の前で Byron Berlin があの状況にありながら抱きしめて喜んでいる意味が解るでしょう。
そしてそれがGibsonの新たなスタルのギター生かされて行くのです。