Gibson その名前は Martin と並び評されるアメリカを代表するギターメーカーとして今もミュージシャンの心を捉えて離しません。


Gibson社がMartin社と大きな違いはカテゴリーの多さかも知れません。

エレクトリックギターからアコースティックギターそれに加えてバンジョーやマンドリンなどアメリカ音楽の発展と共に色々なモノを生み出してきた歴史が有りました。


その創業はミシガン州のカラマズーで工房を構える 1894年に遡ります。

Martin がニューヨークに渡りギター製作を始めてから61年後のお話。


Orville Henry Gibson 

オーヴィル・ヘンリー・ギブソン

彼の最大の功績はマンドリンの改革にありました。


アメリカ音楽の歴史を紐解くのはとても複雑な事になるのですが、その中で音楽の歴史の中でも一番大きな事件なのはオーヴィルが特許を申請したフラットバックマンドリンに他ならないと思います。


創業から試行錯誤を繰り返し6年後の1898年にパテント(特許)を取るこのスタイルAマンドリンは今もフラットバックマンドリンの基本形として残っています。



当時、ヨーロッパからの移民によるマンドリン音楽の中でも細工が細かく底が丸く壊れやすくかさばるマンドリンは運搬や移動にはとても苦労をしたのです。


オーヴィルはトップを広く取りアーチ状に削り出しバックにも同じようなアーチを取る事で音響的にもよく響く個体を生み出し構造上も丈夫で持ち運びもし易いフラットバックのマンドリンを完成させたのです。


そのマンドリンは高評価を得てたくさんの作品を残すこととなります。


※ギブソンマンドリンファミリー
(掲載写真はアメリカ国立音楽博物館・サウスDakota.)

上の写真、右側端に伝統的なラウンドバックスタイルのマンドリンが有りますね。

そして
1902年 販売会社として、
the Gibson Mandolin-Guitar  Mfg.Co,Ltd.
を多くの出資を募り設立するのです。

そしてその6年後の1908年
筆頭株主のジョン・W・アダムに経営を任せてアドバイザーとして残るのみで経営には関わることはなかったのです。

一族経営を貫くMartin社とは対象的な経営方針。
そこからGibson社の数奇な運命が始まるのです。