日々の臨床で、患者さんを治療していてこのような経験はありませんか?

・的確な経穴を選んだはずなのに、患者さんの症状に変化が出ない
・しっかり効かせようと刺激を入れたら、治療後に「体がだるくなった」「どっと疲れた」と言われてしまった
・患者さんの体格や体質によって、どれくらいの強さ・量で施術すべきか判断に迷う

経穴の選定には自信があっても、「どのくらいの刺激量(ドーゼ)を与えるべきか」という匙加減に悩む鍼灸師の先生は非常に多くいらっしゃいます。

治療効果が出ない原因を「取穴のズレ」と考えてしまいがちですが、実は「刺激量の設定ミス」であるケースが少なくありません。
刺激量に関する臨床の悩みは、大きく分けて次の2つのパターンに集約されます。

刺激量が少ないパターン(効果が出ない)
いくら病証に合った適切な経穴を選んでいても、刺激量が不足していると身体の反応を引き出すことができず、「変化なし」という結果に終わってしまいます。
特に、体格が良い方や、慢性化して反応が鈍くなっている患者さんの場合、軽い刺激だけでは十分な治療効果が得られません。

刺激量が多いパターン(治療後に疲労感が出現する)
逆に、「なんとか結果を出そう」として太い鍼を使ったり、置鍼時間を長くしたり、刺激を強めすぎたりするとどうなるでしょうか。
特に過敏な体質の方や、エネルギーの不足している「虚証」の患者さんに対して強い刺激を与えると、治療後に強い疲労感や重だるさ、あるいは過剰反応が出現してしまいます。

つまり、臨床で再現性のある結果を出し続けるためには、単に「効果のある経穴」を知るだけでなく、患者さんの状態に合わせて「適切な刺激量を見極め、調整する技術」が不可欠なのです。

刺激量を調整する要素としては、以下のようなポイントが挙げられます。

・鍼の太さ(号数)と刺入深度
・手技による響かせ方や置鍼時間
・灸の壮数や熱感の与え方
・刺激を受け入れやすくする「前処理(百会への刺鍼など)」の活用

「刺激不足なのか」「刺激過多なのか」、そして「その患者さんにとっての最適な刺激量はどこなのか」。
これらを正しく評価し、コントロールできるようになると、治療直後の効果や再現性は飛躍的に向上します。

治療効果を高めるための具体的な臨床ポイントや、治りにくい患者さんへの対応法については、YouTubeでも分かりやすく動画で解説しています。

「臨床の現場で役立つ情報を学びたい」
「疑問を解消して治療の精度を上げたい」

という先生は、ぜひ動画をチェックしてみてください。

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【編集後記】

患者さん一人ひとりに合わせた「オーダーメイドの刺激量」を提供できるようになると、施術直後の変化や患者さんの満足度が格段に変わります。

「効かない」と「効きすぎた(消耗させた)」の間にある絶妙な境界線を見極めて、ぜひ明日からの臨床に活かしてみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

五枢会代表
武藤由香子