超高齢社会の進行に伴い、脊柱管狭窄症の患者さんを診る機会は年々増加しています。
脊柱管狭窄症は腰部脊柱管の狭小化により神経根や馬尾神経が圧迫され、腰痛、下肢痛、下肢しびれ、間欠性跛行などを生じる疾患です。
原因としては変形性脊椎症、腰椎すべり症、椎間板ヘルニア、黄色靱帯肥厚、椎間関節肥大などの退行性変化が多く見られます。
しかし中には先天的に脊柱管が狭いタイプの脊柱管狭窄症も存在します。
近年ではMRIやCTによる診断が一般的ですが、画像所見と症状が一致しないケースも少なくありません。
MRI上で高度狭窄を認めても症状が軽度な場合もあれば、軽度狭窄でも強い疼痛やしびれを訴える症例もあります。
そのため鍼灸師としては画像所見だけでなく、機能障害を評価することが重要になります。
私が脊柱管狭窄症の患者さんを診る際に重視しているのは脊柱アライメントの異常です。
また脊柱管狭窄症では脊柱起立筋、多裂筋、腰方形筋、大腰筋、殿筋群などの筋緊張異常を伴うことが多く、これらへのアプローチも行っていきます。
鍼灸治療では
さらに脊柱管狭窄症では運動療法の併用が極めて重要です。
鍼灸治療のみで症状を改善させても、日常生活で同じ負荷が繰り返されれば再発する可能性があります。
東洋医学的には脊柱管狭窄症は単純な疼痛疾患として捉えるべきではありません。
高齢者では複数の病証が重複していることが多く、
脾虚証
腎虚証
瘀血証
痰飲
の複合病証として存在することが少なくありません。
脾虚証では筋肉の支持力低下が生じます。
姿勢保持能力が低下し、脊柱の安定性が失われるため、腰部への負担が増加します。
腎虚証が進行すると督脈の病証となり、脊柱に異常をきたします。
瘀血証では局所循環障害が生じ、神経周囲の血流低下による疼痛やしびれが持続します。
痰飲では組織間液の停滞による重だるさや感覚異常が出現します。
実際の臨床では脾虚証・腎虚証を改善しながら、瘀血や痰飲を処理していくことで治療効果が高まるケースを数多く経験します。
脊柱管狭窄症の治療で重要なのは、
「神経圧迫だけを見るのではなく、なぜその神経圧迫が生じたのかを考えること」
です。
脊柱アライメントの異常・筋力低下などを総合的に評価し治療することで、画像所見では説明できない改善が得られることも少なくありません。
超高齢社会では脊柱管狭窄症はますます増加すると考えられます。
局所治療だけでなくアライメントと病証の改善・運動療法を取り入れることで効果的な保存療法が出来ると考えています。
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明日6月4日(木)AM7:00より
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今回のテーマは脊柱管狭窄症の治療のポイントです。
脊柱管狭窄症における鍼灸治療ではどういう点にからアプローチするのかについてお伝えします。
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武藤由香子
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