今回は「治りにくい患者さんの対処法(4)」として、私が「超虚証」と呼んでいる状態についてお伝えします。
超虚証とは、重症の虚証のことです。
これは東洋医学の正式な病名ではなく、私が臨床上使っている用語ですが、非常に治療が難しい状態です。

例えば、
・少し外出しただけでぐったりしてしまう
・入浴するだけで疲れ切ってしまう
・鍼灸治療を少し強めに行っただけでも悪化する
・日常生活を送るだけで精一杯
このような患者さんです。
超虚証の方は、最低限の生活を維持するだけでエネルギーを使い切っている状態です。
つまり、「予備力」が極端に不足しています。

この予備力とは、
・身体を回復させる力
・活動する力
・刺激に耐える力
・病気を改善する力
などを含めた“余力”のことです。

通常の患者さんであれば、鍼灸刺激によって身体が反応し、改善へ向かっていきます。
しかし超虚証の場合、刺激に反応するための力そのものが不足しています。
そのため、一般的な刺激量では逆に疲弊してしまうことがあります。

臨床的には、
・脾虚証
・腎虚証
が合併していることが非常に多く、更に瘀血証や痰飲などが重なっている場合もあります。
脾虚証では胃腸機能が低下し、エネルギー不足になっています。
腎虚証では生命力そのものが低下し、神経伝達物質やホルモンの分泌が低下しています。

したがって、超虚証の患者さんを改善させるためには、まず「予備力を高める」ことが重要になります。
その方法として非常に効果的なのが、自宅施灸です。
お灸は軽刺激で継続的に補うことができるため、超虚証の患者さんと相性が良いです。
特に、
・地機、・関元・湧泉
などを用いた施灸は有効です。

軽度の虚証であれば、自宅施灸だけでも改善する場合があります。
しかし超虚証レベルになると、自宅施灸のみでは改善が難しいことも少なくありません。
その場合は、
・漢方薬
・栄養管理
・生活指導
などを組み合わせ、総合的に予備力を高める必要があります。

超虚証の患者さんでは、「治療をする」というよりも、まず「治療に耐えられる身体を作る」という視点が非常に重要です。
刺激量を増やせば治るわけではありません。

むしろ、“どれだけ消耗させないか”が重要になります。
超虚証の患者さんを改善できるようになると、重症患者さんへの対応力が大きく向上します。
ぜひ臨床の参考にしてみて下さい。
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毎週木曜日朝、配信をしています。
5月28日(木)AM7:00より
YouTubeライブ配信を行います。
今回のテーマは
**「治りにくい患者さんの対処法(4)」**です。
重症の虚証は治りにくい患者さんの1つです。
今までの治りにくい患者さんと違う点は鍼灸のみで対応が難しいところです。
具体的な対策についてお伝えします。
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代表 武藤由香子