なぜ鍼灸師に“知識”が必要なのか?
一昔前と違い、いまの患者さんは自分の身体や病気について、驚くほど勉強しています。
ネット検索で病名や治療法、薬の副作用まで調べて来院される方も少なくありません。
そのような時代において、東洋医学の知識だけでは患者さんの信頼を得るのは難しくなっています。
鍼灸師には、現代医学と東洋医学の両面から病態を理解し、説明できる力が求められます。
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東洋医学と現代医学の“橋渡し”をする
たとえば「メニエール病」。
現代医学では内リンパ水腫と診断される疾患ですが、東洋医学では痰飲としてとらえることができます。
このように、現代医学の構造的・機能的な理解と、東洋医学の病理概念の間に整合性を見い出すことが、患者さんに納得のいく説明と治療を提供するうえで非常に重要です。
片方だけに偏るのではなく、両者の視点を重ね合わせることで、
患者さんにとって納得感のある説明と効果的な治療方針が生まれます。
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知識を実践に落とし込むには?
どれだけ本を読んでも、知識は「点」のままでは役に立ちません。
症例を通じて、知識を“線”にし、“面”として整理していく作業が大切です。
日々の臨床で「なぜこの治療が効いたのか」「なぜ効かなかったのか」を分析し、
東洋医学的・現代医学的視点から言語化・記録していくことで、
知識は少しずつ、あなたの“治療戦略”として積み上がっていきます。
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最終的に必要なのは「予測」と「解決」
経験を重ね、知識が体系化されてくると、次の力が育ちます。
•    予後を予測する力:「この患者さんはどれくらいで改善するか」「どういった経過を辿るか」
•    問題解決能力:「なぜ治らないのか」「どこにアプローチを変えるべきか」
これらは、**単なる“知識の量”ではなく、“知識の使い方”**によって養われるものです。
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✅ 東洋医学と現代医学の整合性を意識していますか?
✅ 症例から学びを記録・整理していますか?
✅ 治療の予測や問題解決の視点を持っていますか?
次回はいよいよ最終回。
どんなに治療力があり、知識が豊富でも、それだけでは患者さんは定着しません。
第3回は、「コミュニケーション力」についてお届けします。お楽しみに!