鍼灸の適応症は時代とともに変化しています。

抗生物質のない時代は結核を治すために鍼灸院に通った方が結構いらしたそうです。
現在でもアフリカで抗生物質が入手できない貧しい人たちに結核の鍼灸が行われています。

消化性潰瘍は、以前は精神ストレスと胃酸の分泌過多で起こるとされていましたが、ピロリ菌の発見によって除菌治療が主流となりました。
したがって消化性潰瘍で来院する人は減少しています。

関節リウマチは主要な治療がステロイドから免疫抑制剤へ移行し、ひどい関節の変形は少なくなったと思います。
しかし薬を増やしたくない、出来れば止めたいという方が治療にいらっしゃっています。

最近出てきた病気といえばコロナ後遺症です。
代表的な症状は、疲労感・倦怠感、関節痛、筋肉痛、咳、喀痰、息切れ、胸痛、脱毛、記憶障害、集中力低下、頭痛、抑うつ、嗅覚障害、味覚障害、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下などです。
現在何名かに鍼灸治療を行っていますが、軽症~重症まであり、改善度も異なっております。

この様に時代とともに、有効な現代医学の治療法が出現したり、新たな疾患が出現したりするので、常に新しい情報を入手する必要があると思います。