今回は症例報告です。
50代女性
初診 2022年6月X日
元来便秘症で2-3日に1回の排便とのことでした。
10年前に乳癌の既往があります。
来院2週間前に腹痛・嘔吐・下痢・血便が出現して来院しました。
初診時に病院で検査をすることを勧めました。
鍼灸治療を6回継続した結果症状はほとんど消失しました。
その間に病院で検査をすることを何度も勧めましたが応じない状態でした。
6回治療後の8月に、「病院で検査をしていただかないとこれ以上鍼灸治療は出来ません。」と言うと来院しなくなりました。

その後の経過は通院中の妹さんから聞きました。
10月に腸閉塞になり、検査をしたところ、S字結腸癌(ステージⅡ)という診断が下ったとのことです。
腸管内にはかなり前の便がたまっていたとの事です。」
12月に腹腔鏡で手術をしたとのことです。

この症例を通して感じたことが2点あります。
1.    鍼灸治療で腸閉塞の症状を緩和することが出来る可能性がある。
そのために病気を見逃す可能性がある。
鍼灸治療で腹痛が軽減したからと言って器質的疾患がないとは言い切れない。
過去にも慢性腹痛の患者を長期間にわたって治療して結局原因が腸閉塞だった症例が報告されています。

2.    ほとんど毎日排便があっても便が腸管内にたまっていることもある。
この症例以外に現在腸閉塞になりかかった患者さんを診ていますが、ほとんど毎日排便があったとのことです。
ある時ひどい腹痛が出現して検査をしたところ、かなり便が溜まっていたとのことです。
原因は近日中に検査する予定となっています。
別のケースでは腹部膨満感がひどく、検査したところ便がかなりたまっていたというものもあります。この方もほぼ毎日排便がありました。
脊柱管狭窄症がありました。

原因不明の腹痛には注意する必要があると痛感しています。
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