セミナー中に良く質問される内容とその回答をお伝えします。

質問:鍼灸師自身が気を付けることは他に何がありますか?

回答:学校で勉強した知識が永遠に使えると過信しないことです。

10年、20年たつと今までと全く医学の常識が変わることがあります。

私が体験したことで言いますと、胃潰瘍と手術の話が典型的です。

以前胃潰瘍は精神ストレスと胃酸過多が原因と教わりました。

そのため、鍼灸治療を受けている方も結構いらっしゃいました。

その後1983年にピロリ菌が発見され、ピロリ菌の除菌治療が開始されました。

現在胃潰瘍で鍼灸を受けている人はかなり減ったと思います。


腹腔鏡の手術が日本で初めて行われたのは1990年です。

それ以前は手術をした後体調不良(自律神経失調症)を起こす人が少なくなかったため、手術を避けて鍼灸にかかっている人がかなりいました。

特に高齢者の場合は手術により体力が低下するため手術を避けていました。

しかし、最近は術野が狭くなり、体への侵襲が少なくなったためか、術後体調不良になる人は高齢者も含めて少なくなったと思います。

今回は鍼灸の適応症の減少についてお伝えしました。

次回は鍼灸の適応症の増加についてお伝えします。

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