鑑別診断は学校の授業でも行っており、特に必要性がないと思っている方もあるかもしれません。


しかし、実際の臨床を行なっていると以下の事に気づきます。


1)予想以上に難しい病気の人(不適応症)の人が受診して来る。


予想以上に難しい病気で私が遭遇した疾患としては、多関節痛→多発性骨髄腫、胸背部痛・下半身のしびれ・歩行困難→脊髄腫瘍、上下肢の麻痺→重症筋無力症、胸痛→心筋梗塞、慢性の咳・痰→肺癌、肩の痛み(夜間痛)・上肢のしびれ→パンコースト腫瘍などです。


その他代田文彦先生が監修された「鍼灸不適応疾患の鑑別と対策」(医道の日本社)の中には、自然気胸・癌の骨転移・腸閉塞など多くの症例が報告されていますので参考になさって下さい。


これらの疾患では手術などの現代医学的治療が遅れると生命にかかわるものや、障害が残るものもあります。


2)同じ症状でも治療法が異なる


同じ頭痛でも局所治療をすると緊張型頭痛は改善しやすく、片頭痛では悪化する場合があります。


頚部痛で寝違いの場合は運動鍼で劇的に改善しますが、頸椎症では悪化することがあります。


関節痛でも変形性の場合は局所治療で改善する場合も多いですが、リウマチでは難しいことが多いです。


不眠症で精神神経疾患がない場合は改善しやすいですが、うつ病・統合失調症・神経症由来の不眠は改善しにくいです。


3)治療期間・予後を推定できる


適応症の場合、同じ疾患でも治療期間・予後が異なります。


例えば腰痛を例に取ると、筋性の場合・椎間関節型の場合・椎間板ヘルニアではそれぞれ治療期間が異なります。


病態を把握することにより治療期間・予後を推定することは、患者さん・鍼灸師両方にメリットがあります。


病態把握は東洋医学的診断の根拠となります。


例えば房水の流れが悪い・内リンパ水腫→痰飲が典型例です。


身体を東洋医学的だけではなく、現代医学的病態把握からも見ていくことにより、より立体的にとらえることが出来ると考えています。


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*五枢会治療セミナー


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