鍼灸の専門学校を卒業して間もない頃、某鍼灸整骨院に就職しました。


柔道整復師の院長から先輩の鍼灸師の治療を見学するように言われました。


その鍼灸師は肩井・膏肓へ2寸の鍼を使い、横刺ではなく直刺(深刺)していました。


その様な難しい鍼を自分は出来るというプライドに満ちている様子でした。


それから30年以上たち、現在考えてみるとその様な危険な鍼をする必要性は全くないことに気づきました。


遠隔取穴や局所の横刺で十分僧帽筋・菱形筋・脊柱起立筋の筋緊張は改善するのです。


あえて危険な治療をしなければならないわけでもないのに、気胸を起こすかもしれない治療を行なうことは言語道断だと思います。


私は師匠の代田文彦先生(元・女子医大教授)から「上背部への置鍼はたとえ浅くても呼吸運動によって中に入って行き、気胸を起こす可能性がある。


特に置鍼した鍼の上にタオルをのせるのは危ない。」と教わりました。


上背部の浅い置鍼でも気胸を起こす可能性があることを考え、安全性の高い治療を行なうことが医療人として重要なのではないでしょうか。


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