朝から陽射しの強さを感じた かなり気温が上がりそうなので、今が収穫シーズンの狭い苺畑に、まずは直行する これだけ陽射しがあれば、あっという間に次々と完熟するが、毎年のことながらこの苺を狙う虫たちとの競争だ 収穫できる苺のうちの何個かはすでに食べられてしまっている なので、見回りをする回数が増えていて、「苺警備員」といった感じの毎日だ
ついでに、手放せなかったコットンセーターも、もう、シーズン終わりだろうとクリーニング店に持っていった。「やっと、クリーニングに出そうと思いました」と店員さんに話しかけると、「そうですよね 朝夕は寒い日も多くて、日によって気温も違うし、見極めが難しいですね」と言葉が返ってきた。
ところが……今日は雨 それに肌寒い 予報通りになった 昨日の「初夏」は、どこへ消えてしまったのだろう それでも「苺警備員」は、ぱらつく雨の中、安全確保に出動した なかなか、安定した天気が続かない。空を見上げ、雲の様子のチェックが要る どんな雲が浮んでいるか 東西の空の明るさはどうか 我が家限定の気象予報士になって予測してみる ……雲に乗って地上を見渡せるなら、何時頃から洗濯物が干せるのか 無理なのか それだけでも、随分と助かるのだが……
野原の草むらの上に浮んだ、白くてふわふわした小さな雲 それを見つけたことから始まる絵本が、『まゆとそらとぶくも』(富安 陽子・文 降矢 なな・絵)だ
降矢ななさんのダイナミックな構図と、富安陽子さんの擬音を使ったファンタジーな物語 「誰かに読んであげたい」と思う一冊だ
雲の上から眺めた地上には、低いところを天狗どんが蓮の葉の傘をさして飛んでいたり、河童が池でスイスイ泳いでいたり、猪の親子や熊の親子もいる
赤鬼も木のてっぺんから飛んでいく雲の様子を窺っている
最近は、絵本やYAにも、今の社会を投影した作品が多くなってきたけれど、子どもたち一人ひとりを取りまく環境を気にすることなく読み聞かせできる楽しい作品だ
その昔、娘が構想を練って書いていた作品があった この本に似たその作品は、「荒削りだけど、着想が面白いから練り直してごらん」と言われていた。 「いつか二人(娘と母)の連名で、世に出したいね」 そんな話を今もしている
雲の上の話だろうか