叩きつける雨
、屋根だけでなく、家
じゅうの窓や外壁を轟音とともに、雨
が…風が……大嵐だ![]()
大雨特別警報
が出ていた
暴風特別警報も
…土砂災害警戒情報も
… 最高レベルの警報が次々と出される中、住宅地の一軒の家
の玄関に、びしょ濡れになって倒れこんできた若い男がいた![]()
そんな状況の書き出し
で、『ふつうの家族』(辻堂 ゆめ)は始まる![]()
夫婦(和則・冴子)と20代の息子(海)、学生の娘(舞花)の四人家族がその家
にいた。 子どもたちはそれぞれ実家を離れて暮らしていたのだが、たまたまその日は家族が揃っていた
『あらしのよるに』(木村 裕一)では、「ひみつのともだち」となったオオカミとヤギ
が出会うのだが……この「あらしのよるに」玄関にいた青年
は、オオカミなのか
ヤギ
なのか
どれとも、昭和のヒットドラマ
『岸辺のアルバム』(山田 太一・脚本)のような展開になるのか![]()
物語のカギ
となるのが、子どもたちが幼い頃に家族四人でフェリー
で行った北海道旅行だった
その旅行を記録した最新モデルのデジタルカメラ
。 家族のいろいろな表情を記録したデジタルカメラは、いつの間にか船
の中で消えていた![]()
写真に写っていたはずの家族の姿は、歳月を経て変わっていく
傍から見れば、仲のよい「ふつうの家族」。 けれども、家族それぞれが、秘密を抱えていたのだ
嵐
の夜の閉ざされて家
の中で、家族一人一人の「今」の姿が解き明かされていく
そして、最大の謎
は、青年
を家の中に招き入れたのは、家族の誰なのか![]()
高熱にうなされ、倒れこんだ青年
を家族は必死に手当てする
温かさと誠意を感じさせる家族の様子だが、口に出せない互いの胸の内……停電し、闇の中にうっすらと灯された明かりは、そこが温かな居場所のように謎の青年
は感じていた![]()
「ふつうの家族」……職場で働く自分の生々しい姿を晒さないようにしてきた父。 努力の甲斐があったのか
と思う母。 崖っぷちの自分以外は、真人間だと考える息子。 互いに言えない秘密
があるくらいが丁度いいのかもしれないと思う娘。
そして、青年
の謎は解け、嵐
の夜はしらじらと明けていく![]()
「あらし」のような混乱が、やっと落ち着いた我が
家 「ふつう」の暮らしにほっとする![]()
