まず、著作権法の目的を確認しておきます。
(著作権法第1条)―引用開始―
この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。
―引用終了―
では、著作権法が実際に文化の発展に寄与しているか見ていきましょう。
まず。著作権法で保護される権利を上げていきます。
【著作者人格権】
氏名表示権
公表権
同一性保持権
【著作財産権】
複製権
上映権
貸与権
譲渡権
公衆送信権
頒布権
二次的著作物の利用に関する原著作者の権利 など
これらを見ていくとこの法律のおかげで、著作物が保護され、文化の発展につながっているように見えます。
しかし、この法律では、文化の発展を妨げる側面もあります。
それは、先ほど上げた「二次的著作物の利用に関する原著作者の権利」が原因で起こります。
まず、二次的著作物がどういったものかというと、元の著作物に創作性を加えて、別の著作物にしたもので、具体的には、原作がある映画やドラマ、アニメや、MAD動画、同人誌
、ほかには、入試問題を改変した問題などです。
そして、この権利がどういったものかというと、この二次的著作物の著作者が有する権利と同一の権利を原著作者が有するというものです。
たとえば、小説を原作にもつ映画の著作権は、映画の著作者と元の小説の著作者が持つのです。
だから、映画を上映する場合には、小説の著作者と映画の著作者の両方から許可を得る必要があるということで、どちらかの許可がなければ公開できないのということです。
また、映画の著作者が、小説の著作者に無断で公開することもできません。
そんなことは当たり前だと思われるかもしれませんが、映画の場合は巨額のお金が動きますが、MAD動画などの場合は基本的に動画の著作者に利益はありませんが、この動画を公開することも許可なしに行うことはできないのです。
これの何が問題なのかと思われるでしょう。
学ぶは真似ぶからきているといわれるように、二次的創作で腕を磨く人もいるはずです。漫画の絵を自分なりに書いてみて、インターネットにupして、いろんな人から意見を聞き、さらなるレベルアップへとつなげる、これが、なかなかできない法律というのはやはり、文化の発展を妨げている要因になるとは言えないだろうか。