書評 ~インプットした情報を「お金」に変える『黄金のアウトプット術』~ | 東京調布 親子関係改善カウンセラー

東京調布 親子関係改善カウンセラー

親子関係改善カウンセラー。『親が死ぬ前に、親ともう一度仲良くなる』プロジェクト主宰。専門学校での学生相談を通じて親子関係の影響力を実感。親の老いを実感し始めたアラフィフ世代向けに、同じ大人として親ともう一度仲良くなることを提案しています。

こんにちは。調布の心理カウンセラー
岩渕紋子(あやこ)です。

今日は、書評
~インプットした情報を「お金」に変える『黄金のアウトプット術』~(成毛眞・著/ポプラ新書)
をお伝えします。

インプットは得意だけど、アウトプットがどうも苦手という方、
よかったらご参考になさってくださいね。

※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

アウトプットしなければと分かっていても、どこから手をつけてよいのか分からない。
せっかく学んで身につけた知識や技術、経験を、誰にも伝えなければ宝の持ち腐れだ。
そんなことは重々承知している。でも、できない。
そういう人がアウトプットできるようになるきっかけをこの本はくれる。

かくいう私も、最近、夫と友人のふたりから立て続けに、
「いつまで本を読んで勉強している気か?もう十分インプットしたのだから、アウトプットしたらどうか」と言われたのだ。

実は、ふたりからそう言われる前から、アウトプットしようと努力はしていたのだ。
だが、きちんと正しい情報を伝えなければとか、私ごときがこのようなことを言っていいのかとか、そういった心の声が聞こえてきて、結局、アウトプットを途中でやめてしまっていたのだ。

そこで、「正しいアウトプットの方法」を学べば、今度こそアウトプットできるようになるのではないかと考え、この本を手に取ったのだ。

この私の行動は、著者にはお見通しのようで、
「アウトプットが足りていないと感じると、アウトプットに関する本(例えば本書)で学ぼうとする」
という経験のない人だけが、インプットが足りていないのだと、いきなり書かれていた。

この一節を目にしたときは、あまりにも図星で思わずのけぞってしまった。
そう、私はまたしてもインプットしていたのだ。

でも、ここからが違う。
今、私は、この本を紹介すべく「アウトプット」しているのだ。

では、なぜ、これまでアウトプットできなかった私が、できるようになったのか?

それは著者が、書くことと話すこと(プレゼン)を中心に、アウトプットの具体的な方法を、懇切丁寧に説明してくれたからだ。

例えば、文章を書く場合はひとまず「800字」程度がいいと具体的に書いていてくれている。
しかも、それを「800字と思うな、100字×8だと思え」と示すことで、書くことに対する心理的なハードルをさらに下げてくれている。

これなら私にもできそうだなと思わせてくれるのだ。
そして、実際に、そのアドバイスに従って、この文章を書いている。

また、著者は「アウトプットは自己表現だ」とも言っている。そして、アウトプットは言葉だけでなく、絵画や音楽、ダンス、写真、料理、スポーツなどもそうだし、自分の「見た目」も大切なアウトプットだと考えている。

実は、この本の表紙には著者である成毛氏の写真が使われているのだが、正直、印象に残らない。
それは例えば、ホリエモンこと堀江貴文氏が表紙になっていたら、その「圧」にうげっとなってイヤでも目につくのだが、それがないのである。
良い意味で、成毛氏の顔は嫌味がなく、本のデザインと調和しているため、印象に残らないのだ。

そのことは本人も自覚しているようで、「私はマイクロソフトの社長だったことがあり、HONZを主宰しており、本も何冊か出しているが、それでもまず、他人の記憶に残らない。びっくりするほど覚えられていない。」と書いている。

だからこそ「ビジュアルで自分にタグをつける」ことで自分のことを覚えてもらうといったことまで気が付くのだろう。
女性とは別の視点で「見た目」について言及している点は、とても参考になった。

最後に、この本を読んで一番大切だなと感じたことをお伝えしたい。それは、アウトプットの目的を意識すること、つまり、何のためにアウトプットするのかを明確にすることだ。

もちろん、タイトルにあるように「お金」に変えるということもあるだろう。AI時代に生き残るのは編集後にアウトプットできる人材だからというのもあるだろう。

でも、私は、なぜ自分がアウトプットしたいのかというと、自分の知識や技術、経験を伝えることで、ほかの誰かの役に立ちたいからだ。

そして、発信した情報に対して、これこそが自分の求めていたことだとか、私も同じように感じていたとか、そういう風に誰かに共感してもらえたら、なお嬉しいし、そこから素敵な関係性を築いていけたら最高だ。

このようにアウトプットする目的が明確になると、ちょっとぐらい格好悪くても、できそこないでも、とにかく伝えたい、伝えなきゃ!という思いがあふれてきて、それに背中を押される形で、自然とアウトプットできるようになるのだ。

この本のおかげで、アウトプットにしり込みしていた私でも、ここまで書くことができた。次はあなたの番だ。

ただし、書いてあることを実行する気がないなら、本書を読むことはおすすめしない。またインプットを重ねるだけになるからだ。

そうではなく、心からアウトプットしたいと思っている方に、ぜひ読んでもらいたい。

「アウトプットを前提にすると、インプットががらりと変わる。」
それをあなたに体験してもらいたい。