喪服の画家 | 或るひとつの物語

或るひとつの物語

不定期に詩を載っけます。




美しいその瞬間


遠くへと旅立つほんの少し前
かすかに変わる顔立ち


それをおさめるために僕は筆を執る



二つの世界でとどまる
総ての真理を悟った生命



その壮大なものを
たった一枚の紙に閉じ込める
それが私の仕事であり、誇りだ



惑わされず、
動揺せず、
流されず、
淡々と、

書き続ける


周りの人々の
悲しみも、
怒りも、
争いも、
沈黙も、
サウンドのようだ

遠くから流れてくる
私から遠い出来事


書き続ける


その瞬間を逃さぬよう
心を殺したとしても




すべては


完成させるために





書き続ける