試作品No.0526: 忘却 | 或るひとつの物語

或るひとつの物語

不定期に詩を載っけます。

死んで了ったあのひとを想って
涙を流す
胸が押し潰されて
口からこみ上げてくる音にならない声

そんな感情もすぐに忘れるのだろうか


誰もカナシミに捕らわれないように、と
昔の誰かが産んだ発明品

みんなが笑顔の世界
ただただ、笑うだけの
喜びのない世界

この世に存在しないものは
もう誰も知らない
初めから存在してないものとされ

生と別れ

死と別れ

分断されたふたつの世界

二度と交わらないふたつの世界


忘れたくない…


どうかどうか



こころに留まっていて欲しい、と
ただ祈る