白鯨 | 或るひとつの物語

或るひとつの物語

不定期に詩を載っけます。

白い君は何処にいる 遠く深く暗く
何処へ 何処へ
コンクリートの波も
鉛の雲も
消えた 消えた
水平線が揺予うのを一体誰がみているか

「明日はクジラが滅ぶでしょう」
ラジオが興味なさげに食いついた
リスナーは そう 嘲笑う

僕ら絶滅危惧種 明日にはふと去ぬ
何事もなかったように 
僕ら海へと還る 生きるべき処を
間違ってしまっただけさ

碧し海は包み込む 遙か彼方すべて
何も かもを
哀しいステディたち
雨の音も
響く 響く
やまない雨が愛しいのを一体誰が理解(わかる)のか

「今日はクジラが還るでしょう」
ラジオが忘れた頃に呟いた
リスナーは もう 別の人

僕ら絶滅危惧種 進むため退く
それが負けだったとしても
僕ら海へと生きる 生きるべき処が
此処だったってことだけさ