は?


なにやら、耳慣れない言葉が飛び出したもんだから、思わず聞き返す。




「...てんし...?え、てんしって、あの、天使?天国に飛んでる、あの?」

「そう、天国に飛んでる、エンジェルとかキューピッドとかそういうアレ」

「...それにしては、キミにはそれらしい羽も頭のワッカもないね」

「いいとこに気づいたな」



ニヤリと笑うのが可愛くて、訝しむ気持ちは完全に忘れ、前のめりに話を聞く態勢になってしまった。



天使くん、の説明によれば。

羽は基本的に出し入れ自由。

物理的に邪魔だから飛ぶ時以外はしまうそうだ。

実際にバサバサして見せてくれた。

驚きはしたが、もうこうなったら疑う方が無理がある。


そして、あの頭のワッカは『完全体の象徴』なのだそうで。


輪の輝きは自らを守る聖なる光。


しっかり修行をして自分で発光させられる力を得た天使は、あの光に守られて自由に世界を飛び回ることが出来る。


しかし、修行中の天使はあの聖なる光を自らでは生み出せない。どっかのお空の世界のえらーい存在(なんとかエルやら、なんとかファーだのと、いろんな大天使さま?の名前を言われたけど全く覚えられない)の後光が届く範囲までが行動範囲。後光で守ってもらえているかわりに、監視下にもある、そんなことらしい。




「ふーん。キミは見習いなんだね」

「そゆこと」

「で?そんな見習い天使くんが、オレになんの用?」

「そうっ!本題はそれだ!!」



ビシッと人差し指をオレに向けて何を言うかと思ったら。




「俺は相葉雅紀のココロのスキマを埋めに来た!」