「おい!起きろっ!」
「んー...」
「おきろってば!」
「ちょっ...」
「起きろ!起きろ!おーきーろーっ!」
「んもう!なに!?」
ガバッと起き上がるとそこには
「えっ!?...えぇっ???なに??え、だ、だれ???」
「お、起きた!っははは!すげぇ顔!寝ぐせもやべぇな!!」
いたずら好きそうでヤンチャな瞳が印象的な男の子が、オレのベッドに座ってた。
「おまえ、相葉雅紀か?」
「は?」
「おい、どうなんだよ」
寝起きざまに急に現れた男の子。
オレのベッドの足元に正座して、じーっとオレを見つめ、膝に置いた手を握りしめている。
恐怖とは違う、妙な緊張感。
見た目の様子からは似つかわしくない
そんな呼吸が止まるような対峙もつかの間。
フルネームを呼ばれたことで『なんでオレの名前知ってるの?』という疑問とともに、恐怖よりもこのコの正体についての好奇心が勝る。見た目が明らかにコドモであることも手伝って、警戒心は自分でも不思議なくらい急速に緩まった。
「...しらないヒトに名乗る名前はありません。キミこそ、ヒトんちに勝手に入ってきて、ナニモノなんだよ。オレに誰何するならキミから名乗るのが道理でしょ?」
「うっ...おっしゃる通り」
なんだろう、このコ...
誰かに似てるんだよな。
そしてめちゃくちゃかわいい。
男の子、だけど、うん、すごくかわいい。
「で?キミは誰?名前は?どこからきて、どうやってこの部屋に入ったの?」
「いっぺんに聞くな!せっかちなヤツだな!」
可愛い顔して、声変わりもまだしてないハスキーなこどもの声で歯向かってくるのがおかしくて思わず吹き出してしまった。
「っはは!ホントに無礼なヤツだなぁ!なっまいき!」
可愛いカレはむぅっと口を尖らせて、【不本意】ってわかりやすく顔に書いある。
「ねぇ、とりあえず、お名前は?オレは、相葉雅紀です」
「んだよ、そうならそうだって初めから言やぁいいだろ」
「フフ、こどもだからって甘やかさない主義だからね。で?キミは?」
「名前は...後だ。ナニモノかと聞かれたら、人間が一番納得するのは『天使』ってやつだ」