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ったくもー。

2人とも、オレが見てるって忘れてんのかな♡



おーちゃんもしょーちゃんも、まさかのプラトニックで、オレはマジでびびった。



え、あれ?


ちゅーしてたら、それはプラトニックとは言わない??


でもさでもさ、いい大人がこんなに可愛い恋愛してるの、すっげーいいよなぁ。

逆にかっけぇよ、マジで。

しょーちゃんなんか結構いい会社で相当デキる人っぽいのに、全然計算とかズルさとかなくてさ。なんであんなに気持ちがキレイなんだろう。


なんて話をオレの恋人にしたら『どーせワタシは引きこもりの底辺ひねくれエンジニアですから』なんて可愛く拗ねるからそりゃぁもう、デロデロに甘やかしたよね。


……っと、余談はおいといて。






しょーちゃんとおーちゃんね。
そうなんだよ。

ナニゴトかのすれ違いがあったって、身体に触れ合えばそんなのはすぐ溶けてく。それは身体の繋がりで誤魔化すんじゃなくて、そんな相当な姿をお互い見せあえるっていう信頼なんだよ。
で、やっぱり好きだなぁって、何度も何度も好きになれる。


でもさでもさ!
あの自然の流れに任せすぎて自由人のおーちゃんが、都会のイケメンリーマンに惚れるとは思ってなかったし、まして、その彼氏に合わせてオトコの欲を我慢してたなんて……本当にすっげぇ大事にしてんだなぁ♡
うん、かっけぇわ!


おっ、なーんかぐるぐる遊んでるなぁ…

実はオレ、森に入った時から2人を見てた。


いや、のぞきじゃないんだよ?
おーちゃん張り切って火起こししてたのにさ、その火元、そのまんまで離れちゃうから『コラッ』て言おうと思ったらさ、なんか様子が穏やかじゃないし。


あっちとこっちで燃え上がる炎の見守りをしてたわけですよ。




わぉ♡
しょーちゃんてば、やるぅ!

と、思ったら、おーちゃん、ついに本性あらわる?
結構、濃厚なちゅー、しちゃってる、よね?

おーちゃん、さすがの身のこなし。
カメラの死角に上手く身体入れてきたな。


カメラ画像じゃわかんないけど、きっとしょーちゃん無自覚に可愛い顔してんだろうなぁ。あの意志の強そうなキリッとした目元が赤く色づいて、潤んだ瞳でみつめられたら、グラッと来ちゃうかも。
なんて、内緒、内緒。

オレの可愛いコイビトにバレたら大変だ。



とかなんとかカメラを眺めていれば、仲良く手ぇ繋いじゃってる。
そろそろ戻ってきそうかな?


よーし、ビールの用意して待ち伏せしてやろう!





……ん?




ちょっ、ちょっと!?





しょーちゃん押し倒されてるーーー!



おーちゃん、早まるな!!!


頼むからここで始めんのはやめてくれよ!?
いや、たしかにおそとえっちは色んな意味で気持ちぃけどさぁ……


ヤバい、おーちゃんってば我慢しすぎた挙句、キスで火がついちゃった?
目の前に美味しそうなしょーちゃんがいて、めっちゃ野獣になっちゃってる!?


ってか、しょーちゃんも!
ちゃんと抵抗しろよーーーっ!!
受け入れてんなよ!!!!




あーーー!もうっ!!!




『ちょっとそこのふたりー!オレ、見てっかんな!!!』




おいおい、ちょっとは焦れ。

すげぇ爆笑してるじゃん。
ったく、呑気に手ぇ振ってくんじゃないよ。


はいはい、ラブラブなのね、分かった分かった。



はぁー。

ごちそうさまぁだ。




よしっ!

戻ってきたら2人の進展を祝して飲んだくれるぞ!



ビール、ビール、ビール!!!




おしまい