「...まぁ、そうなんだろうな」

「ふふふ、まぁ、そうだね!」

「なんでそんなに楽しそうなんだよ...」

「そりゃあ愛してるしょーちゃんがこんなエロい格好で濡れてんだもん。楽しいに決まってんじゃん?」

「濡れてる...って。オマエ、マジで言い方な」


楽しそうにフフフと笑って、可愛い可愛いと言いながら俺をぎゅうぎゅうに抱きしめる。いつだって雅紀のスイッチがはいるポイントは測りかねるが、そのいずれの時もやたらと楽しそうだ。


そんな嬉しそうな幸せそうな顔を見せられて、ついつい俺も求められることに満足を感じてしまっているあたり、俺もたいがい雅紀が好きだと自覚する。



「で?おれはこうして縛られて、身動きができねーんだけど、この後どうなるワケ?」

「フフフ、どうして欲しい?」

「……解放して欲しいよ、俺は」

「もーっ!ちょっとちょっと!もう少しノッてくれたっていいじゃん!」

「………」

「……?」



お望み通り、ノッてやるよ。




「しょー…ちゃん?」



沈黙は、なんとやら。

言葉を重ねるより、も。




後ろ手に縛られ、否応もなく胸元が主張する。

白い肌に、色づいた先端。


視線を自分の胸の突起に合わせる。

そして、次に、雅紀を見つめる。

めいっぱい、思わせぶりに。




うるさいほどの、静寂。


アスファルトへ打ち付ける雨音。
車が撥ね上げる水飛沫。
遠くで聴こえるサイレン。


全ての音の外側に2人だけの世界。






「そんなことしたら、ダメでしょ」



俺は洗面台に無理やり乗り上げて尻を乗せた。

そうして自由を得た両脚を持ち上げて雅紀の腰へ脚を絡めて引き寄せる。



「なぁ、前、解放してくんねーの?」