「ごめん、ごめんね。にのちゃん、怖がらせちゃった・・・?」

「ううん!俺こそ、急に・・・その・・・ごめん」

「いや!オレめっちゃうれしくて興奮しちゃって止まんなくなっちゃって・・・ごめん」

「俺のほうこそ、我慢出来なくて・・・って、俺何言ってんだ!?あーもう!ごめん!」




ごめんごめんと謝り合っているうちに、空気が緩んで2人して笑ってしまった。


やっぱり、彼の太陽みたいな大きな笑顔が大好き。

上がった熱が冷めてきた。
まーくんも汗が冷えてきたら風邪ひいちゃう。
早く帰ってお風呂にでも入ってもらわないと・・・

と、理性では思えるのに、引き寄せられて彼の胡坐の中に座ったままの俺を、背後から抱きしめてくれる甘い体温を振り払うことができない。

きもちいいな。

でも、ずっとこのままってわけにはいかない。


「まーく・・・」


「ねぇ、にのちゃん?」


そろそろ帰ろうか、と、意を決して言おうとしたところを遮られる。そして継いだ言葉が俺の体温を再上昇させた。





「・・・オレ、にのちゃんが好きだよ」


「・・・!?え!はぁ?なんで、いま言うの!」

「んー、むしろ、今・・・だから?これもごめんねなんだけど、勢いみたくなんも言わないで始めちゃってさ・・・でも止めらんなくなっちゃって・・・だから、ちゃんと言わなきゃって思ったから」


止められなくなった、なんて。
それは俺もで。
俺の方がむしろ暴走したって感じだったし・・・。



「うん。俺の方こそ、先走ってごめん・・・って、また、ごめんのループになるじゃん!」

「あ、じゃあさ、にのちゃん、ごめんの代わりに、『すき』って言ってみるってどう?」

「・・・んなっ、な、なに、いってんの!?」

「謝るって、それって好きってことがそもそもの気持ちなんだし、同じことじゃない?」

「それは・・・そう、だけど」

「よし!じゃ、やり直し!」



と、彼は楽し気に、『やり直し』を始めた。



「にのちゃん、怖がらせちゃった、好き」

「・・・えっと・・・俺も、す、き・・・」

「興奮して止まんなくなっちゃった、好き」

「俺の方こそ我慢できなくて・・・すき・・・」

「さっきさ、にのちゃんが逃げちゃいそうになった時ね、その時はもうにのちゃんが可愛すぎて、直視できなくて、無視したみたいに見えてたらごめ・・・じゃなくて・・・好き」

「・・・そこは、ごめんで、いいかも」

「はは、そっか・・・」

「そうだよ、まーくん・・・」



抱きこまれたまま、気持ちを寄せ合わせて。
ゆるんだ空気がまた少しずつ張りつめていく。


俺はずるくてあざといんだ。


抱き込まれた体勢は、まーくんの左頬が俺の右耳にぴったりとくっついている。少し彼を見上げるように顔を上げて話せば、頬に俺の唇が触れる。

だから、わざと。



「まーくん、肩の模様、きれい」



肩にそっと触れる。


「にのちゃん・・・そんなことしたら、だめでしょ・・・」