休日の朝。
夢見が悪かった。
頭が重い。
加えて、相変わらずどうにも拭いきれない違和感。
あまり具合がよくない俺はまるで何かにすがるように
無意識にベッドに手を這わせていた。
そして・・・気がついた。
「俺・・・いつも、だれかと一緒にねてる・・・?」
無意識に誰かを探してさまよった手。
が・・・。
捉えるものの不在に震えていた。
強い喪失感に打ちのめされる。
なんだ。
俺は、何か失っているのか。
何を、失っているのか。
それすらもわからない。
わからない・・・が、わからないまま、ひどく気になること。
胸騒ぎ。不安と焦り。
「なんなんだよ・・・。」
夢に出てきた、「さとしくん」
そして名前もわからない柔らかな声の。
手が大きくて熱くて、すごく心地が良かった。
不安な夢だったのに、あの手の感触に救われた。
そして男か女かもわからないが、どうしても気になって仕方ない、さとしくんが言う「あいばちゃん」という人物。
さとしくん、と、あいばちゃん。
そして、あの熱い手の人。
このひとたち。
俺に何か。
俺の人生に何か、関係がある・・・のか?