そうこうしているうちに、急に入口付近が賑やかになる。
また誰か。
「おっはよ!しょおくん、今日もかっこいい?」
がばっと、後ろからハグをされたと同時に、異常にハイテンションなコイツ。
「っおい!潤!なんだよ急に!」
「えー!いつもの挨拶じゃん!うん、今日もしょおくんがカッコよくて嬉しいな!」
と言って、背後から肩越しに俺の顔を覗き込む。
いまにも頬にキスさえしそうな距離で。
言葉通り、にこにこと愛想がよくて嬉しそうだ。
こんなに明るく、なんならやたら懐こくて可愛い潤。
ひさしぶりに見たようで・・・
だが、確かに潤はいつもこうだ、と・・・思い直す。
腹の底が、ざわざわする。
強烈な違和感、だが、知っているいつもの景色。
「あれ?ほかのみんなは?」
メイクから控室に戻ってくると、潤がケータリングを食べながら今日の段取りを確認する絵コンテを捲っていた。
「ほかって?」
と、シュークリームを頬張っている潤から聞き返される。
「え?だから・・・ほら、メンバーのさ、なぁ」
「ニノならさっきメイク行ったよ?」
「じゃなくて、だから、・・・」
「どしたの?しょおくん」
「いやだから!・・・ニノと潤と、俺と・・・!!」
どうしようもない焦燥感にひとり勝手に慌てている俺に潤は言った。
「ひさしぶりにメンバーに会うとなんか嬉しいよね。全員そろうのも久々だし、しょおくんも変なテンションになっちゃった?」
・・・全員?