■2:03
ふと、目が覚める。
ここは・・・そうだ。
雅紀の。
体温の高い体に抱き込まれ、ベタつく身体がお互いにそのままなのに、嫌悪感どころか、おどろくほどの幸せを感じていることに気づいた。
あ・・・。
肩に、これは、アザ?
おもわず指でなぞると
「ん・・・しょ、ちゃ。おきちゃった・・・?」
「雅紀」
「なぁに・・・」
開けられない目の言い訳するかのように、口角をあげて俺の頭を撫ぜながら『起きてるよ、聞いてるよ』のアピール。
呼びかけたことに意図はなかったが、ふと、
「そうだ、俺、昨日、誕生日」
「ふふ・・・しってる、だから、こうしてる。」
「え?なんで?どういうこと??」
「・・・しょーちゃん、オレ眠いの。だから、寝て?」
と言うやいなや、眠いと言った人間とは思えない力強さでベッドに沈められ、左の耳たぶにキスをくれながら雅紀は、そのまま眠りに堕ちてしまった。
雅紀の熱い寝息とリズムに少しづつ意識が同調していく心地良さ。
「なんで知って・・・まぁ・・・いっか。」
朝になったら、おめでとうを言ってよね。
1日遅れでも、それでも。
俺を好きだって言葉をプレゼントにしてさ。
おわり