#O
しょうくんがぼろぼろと中身を晒しだして。
賢いヒトのつたない言葉にいとしさを感じてしまう・・・。
なんだよ、いとしいって、
・・・完堕ちだな。
いつの間にか無防備。
無防備からの、色気ダダ洩れ。
強めの酒をすすめたのは、うまい酒を飲ませたいという、ただそれだけだった・・・が。
ゆっくりを酒を舐める濡れた唇と、赤い舌。
目元も赤く染まって、伏せた目からオイラを覗き見るように、上目遣いをする。
今夜、やべぇかも。
今日は平日。
デイキャンプばかりで、宿泊テントもほとんどない。
ソロキャン初心者はしょうくんひとりだけ。
初心者のソロキャンパーが来てるときは
相葉ちゃんが基本的に夜の見回りをしてくれるけど
今日はオイラが一緒だからと休んでもらった。
『おーちゃーん、公私混同かなー!?』
って、つっこまれて、でも、そのまま何も聞かないでいてくれた。
去り際にめちゃくちゃいい笑顔で
「楽しい夜を!」って言ってくれたから
・・・まぁ、なんかいろいろ察してくれてるんだと思う。
しょうくんが可愛くてついつい「嫁に来い」なんて言っちまって。
ヤバ、と思ったけど、嫁扱いしたオイラに嫌悪感を示すこともなく、むしろ「嫁ポジなの?」なんて聞き返され、あまつさえちょっと嬉しそうに「花嫁修行してからお願いします」とか。
どんだけ真面目で可愛いんだ。
・・・これ、押せばイケちゃう?
酒の勢いも手伝って、不躾にしょうくんを見つめてしまう。
並んで座っているから、しょうくんの横顔と首筋を遠慮なく眺めて。
日焼けに縁がなさそうな白い首筋に吸い付きたい・・・なんて
こんなこと思ってるって知られたら、さすがにマズイ、よな。
YouTuberにあこがれてソロキャン始めたって。
キャンプを体験したうえで、また見直してみるって。
一生懸命しゃべってるけど、オイラのことを意識してるのは明らか。
浅い呼吸にそそられる。
「・・・しょうくん、もう、オイラのもんだ。」
「おーちゃんの、もの?」
酔って潤ませた目で、眉間にしわをよせてオイラを見る。
シてるときの顔・・・こんな感じ、かな。
よからぬ想像でうっかり下半身に熱を持ちそうになる。
「そ。なぁ、しょうくん...気づいてないの?」
ごまかすために軽口を言って、ついでに「1万年の愛を叫ぼう」っていうサビがお気に入りのアイドルの歌を口ずさむ。
「・・・あ。それ・・・、え、えぇ!?」
「んふふ、わかった?」
「え、それって、その歌声って、え!もしかして、え?」
「もしかして、なに?」
もうわかってるのに、答えを出すことに戸惑ってる可愛いしょうくんに、ダメ押しの一手。
「・・・お手を拝借!」
「わぁーっ!!!!え!本物!?本物なの?おーちゃんが、『リーダー』なの!?」
「そ、オイラがしょうくんが熱心に見てくれてたソロキャンちゃんねるの中の人、だよ」