「ねえ、しょおくん」

「ん?」

「次の信号が赤だったら、キスしていい?」

「……ダメだろ」

「なんで」

「俺らが『路チュー』とか、世間様が大いにざわつくだろ。ご迷惑をおかけしましたって、誰に謝ってんだかわかんねーような記者会見、俺はしたくねーぞ」

「別に謝る必要ないじゃん。それこそ、おれとしょおくんの路チューについては、需要はあれど、誰も迷惑とは、思わなくない?」

「需要ってお前ね……まぁそーかもしんねーけど(笑)」

「ね?だからさ、次の信号!」

「ムリだろ」

「ムリじゃない」

「できねーよ」

「しよーよ」

「しないよ」

「するよ」

「……お前、今日は押すね」

「今日は素直になる日に決めたから」

「いつも素直でいろよ」

「そーしたら困るのはしょおくんだけど」

「……」

「……ちょっと、黙んないでよ」

「いや、そうじゃなくて。……いつも潤が素直だったら可愛いんだろうなって、考えてみただけ」

「……え、それって」

「まぁ、素直だとしても外ではダーメ」

「なんだよ、けちー」

「それこそなんだよ(笑)ケチじゃねーわ」

「せっかく春の夕べに気持ちよく散歩してるんだから、もっと気持ちいいこと、しようよ」

「ふふ……っくっくっ……あはははっ!」

「なに変な笑い方してー!おれは真剣に誘ってるよ!」

「ん、わかってる、けど……うん、すげー誰かさんが言いそうなセリフだわ……」

「あぁぁ……もぅ、おれと一緒の時にぃ……」

「別に誰って言ってねーだろ」

「わかっちゃうよ、そんなの…しょおくんの顔みてたら」

「なんだそれ」

「…………」

「じゅーん?どした?……拗ねてんの?」

「…………しょおくん、手を、つなぎたい」

「お、だいぶ素直だな……ほれ」

「……いいの?」

「まぁ、手繋ぎくらいならな」

「しょおくん」

「……んー?」

「しょおくん」

「どーした」

「……しょおくん……」



「コーヒーさ、豆から淹れると、やっぱ美味いよな」

「………う…ん……?」

「明日の朝、淹れてやろうか」

「………しょおくんも、素直になりなよね」





おしまい。

 お写真ご協力は下矢印
櫻井(翔くんを好き過ぎて幸せな)結希子さん
無防備しょーちゃんといたずらっ子じゅんのかわゆいことハート
ありがとうございました!