エレベーターに乗り込んで
静かに唸るモーターの音を2人で聞いている。
ドラマみたいに
我慢できないとばかりにキスで溺れるのもいいけれど
オレたちはそれをしなかった。
潤くんも熱い瞳で見つめてくれる。
手を繋いで手の甲を親指でゆっくりとなぞって。
お互いにそれ以上のことはしない。
エレベーターを降りてから
潤くんがオレの手を引いて立ち止まる。
そのまま部屋まで続く薄暗い廊下で
ふんわりと触れるだけのキスをする。
この先をどう過ごすか確認をする瞬間。
きっと2人とも同じく想ってる。
……つながりたい。
もう、いいよね?
潤くんのベッドへ座って彼を見上げる。
オレはゆっくりと目を閉じる。
それは受け入れる意思表示。
潤くんは優しくキスをくれて
そして『ありがとう』とつぶやいた。
そんな潤くんが愛おしくて
オレももっと近づきたいよって伝えたくて
首に腕をまわして引き寄せた。
やさしくついばむ潤くんのキスが気持ちいい。
オレはもっと欲しくなって
やわらかなくちびるを舌で誘う。
少し開いた隙間からオレは遠慮なく舌をねじ込んで歯列をなぞると、潤くんは息を漏らしながらオレの頭を抱えてベッドに押し倒した。
「…まさき…さん、まさきさん……」
息継ぎの隙間にオレを呼ぶ。
せつない声が愛おしくてオレもそれに応えて
「ん……はぁ、……じゅん…ンッ」
潤くんのシャツをまくり上げて素肌に触る。
吸いつくような手触りを楽しみながらカラダを撫でると
ときおりビクッと反応をしてくれるのがたまらなく嬉しい。
不意にキスをやめた潤くんは
これが最後の確認とばかりにゆっくりとオレに尋ねた。
「雅紀さん…僕と、一緒になってくれる?」
その潤くんの言葉にオレは安心と幸せしかなかった。
そして迷いは一切ない。
「もちろん…一緒にいよう?ずっとずっと一緒に。」
迷うことなくこう答えて、MJの瞳にキスをした。