「ついに潤から呼び出されたな」

なんだか楽しそうなしょーちゃん。


「うん、あらためて雅紀さんに向き合いたいって思って…そしたら、たぶん、しょおくんの話は聞いとかなきゃかなぁって」

「柔軟になったなぁ……」

「そう?」

「ああ、以前はもっと、自分のテリトリーをはっきり区切ってただろ」

「意識してそうしてた訳じゃないけど、しょおくんがそう感じるなら…そうだったのかな」

「潤の意志の強さと真面目さはいいところだけど、反面、他人を寄せつけない雰囲気もあったからな」


って、潤くんお気に入りのウイスキーを美味しそうに飲むしょーちゃんは、完全に楽しんでる。



「で、何聞きたいの」

「あのさ…僕、雅紀さんのこと、すごく好きになったんだ」

「…っ!えぇ!?なにそれ急じゃん!!オレ聞いてねーし!」

「うん…初めて言ったよ」



興味を持ってくれて
チカヅキタイって言ってくれて
オレから近づくのを待っててくれて
それで、ついに告白に至った…ワケか。

で、それにはしょーちゃんへの筋も通す。
真面目な潤くんらしい。


「僕は以前に『束縛したい』『愛するならとことん』って言った」

「ああ、言ってたな」

「…でも、僕が雅紀さんをどれだけ愛しても、2人の関係が変わらない気がして……変えられない気がして…だから…」

「潤は、雅紀がお前だけを見ることを望んでるのか?」

多分、しょーちゃんはオレとしょーちゃんの関係を話すつもりだってわかった。だから、オレは黙ってしょーちゃんに任せることにした。

「僕は、束縛したいと言った。でも、しょおくんのことを想って甘くなる雅紀さんがものすごく愛おしいと思うし、雅紀さんの事を話しながら柔らかくなるしょおくんが可愛くて大好きなんだ」

「ハハ、言ってくれるじゃん」

「2人の間に入りたいわけじゃないって気づいた。まして、2人を引き離したいわけでもない。」

しょーちゃんと潤くんの話を聞きながら泣きそうになる。
それに気づいてしょーちゃんが背中をなでてくれた。

「…しょおくんと雅紀さんは…なんなの?」

「……お前は、セフレだと思ってんだろ?」

「そう思ってた。それを言われたときは、しょおくんが気まずくて僕にあんな風に言ったんだと思ってたけど、そもそもしょおくんはそんなヘンな誤魔化しするような人じゃないし」

「わかってんじゃん」

「だから、考えた。」

「…結論は?」

「わかんない。…だから、教えて欲しい」




まっすぐしょーちゃんを見ていた潤くんは

そのあと

オレに向きあって、言った。




「愛したいんだ、雅紀さんのこと」




あのMJの瞳にオレが映ってる…。